旧車ブームに乗じた悪徳業者に注意

前編で触れたように、旧車が人気を集めるのは投機目的という側面は確かに大きいが、それだけが理由ではない。今のクルマにはない魅力があるのは確かだからだ。老舗旧車ショップの「スピードショップクボ」(東京都足立区)代表の久保亨さんは、旧車の人気の理由をこう分析している。

「現在のクルマは安全や環境に関する基準がすごく厳しいので、どの国のクルマも似たようなものになってきています。その点、1990年代くらいまでのクルマはすごく個性的なデザインが多いです。あと古いクルマはコンピュータがそんなに入っていないので、自分でいじれる部分が多いし、運転している感もしっかりとある。エンジン音やガソリンの匂いがするとか、そういう部分にもワクワクしますよね」

「お金がなくて」19万円で買ったトヨタ中古車が30倍以上の値に⁉︎超高騰中の“ネオクラシックカー”の魅力と落とし穴(後編)_c
「スピードショップクボ」の久保亨代表

実際、久保さんのショップでも年配者だけでなく、クルマ離れが進んでいると言われる若者のお客さんも増えているように感じるという。ただ、軽い気持ちで古いクルマに手を出すと、痛い目を見る可能性も少なからずある。久保さんが注意を促す。

「これだけ旧車やネオクラシックの価格が高騰しているので、お金儲けが目当てで、クルマに詳しくない業者もどんどん参入しています。だからきちんと整備されていないクルマがあるのは事実です。外側だけきれいで、中を見たらガムテープで止めていて、『えっ!』と驚いたこともあります。

旧車を購入する際は、ショップに足を運んで、実物を見て、触ってみることが大事です。できれば古いクルマに詳しい人や信頼できる専門店の方と一緒に行ってほしい。とにかくほしい!という気持ちで行くと、どんなクルマでもよく見えてしまう。誰かブレーキをかけてくれる人が絶対に必要だと思います。変なモノをつかまされたら、購入後に修理代にお金がかかって、何十万円、下手したら何百万円も損するかもしれませんから」

日本では旧車を所有し、維持するのは想像以上に大変だ。古いクルマほど自動車税などの税金は高く、製造元のディーラーに持ち込むと嫌な顔をされるケースが少なくない。そもそも修理部品が廃盤になっている場合もある。快適な旧車生活を送るためには古いクルマに対する深い知識と情報ネットワークを持つ、専門店を見つけることが必須条件と言っていいだろう。