組長を見たことがある組員はひと握り
だが、直参の組長や幹部らとなると別格だ。抗争で服役すれば毎月の積立金は100万円を越えることもあるようだ。
さらに、傘下組織が毎月、毎週、順番に拘置所に面会に行き「差入れ金」も渡される。
「差入れ金の相場はおよそ20万円。それが毎月、毎週、積立金とは別に入ってくる。“義理”と呼ばれる金だ。拘置所では家族などと被らないよう、組織の者が週2回ほど決められた曜日に面会へ行く。山口組であれば80近い団体が、毎週2組は面会に訪れ、差入れ金を渡す」とT氏はいう。
下部組織の組員が差し入れ金を受け取ったとしてもその額は高が知れているが、直参組長や幹部クラスは「1面会で20万×週2回×4週間」で、それだけで最低でも月160万円になる。
そして、出所時には出所祝い金が贈られ、放免祝いの会が催される」(T氏)
昨今は暴排条例などで警察の規制や監視が強化されており、放免祝いは激励会などに名前を変えて行われている。
しかし今回、禁止令の対象となった組員らには、出所時の放免祝いどころか迎えすらないのではないだろうか。
だが、それ以前に「組のため、親分のためと命を懸けても、その親分の顔を実際に見たことがない組員も少なくない」と関西に拠点を持つ暴力団関係者E氏は話す。
「六代目山口組に稲川会、住吉会、暴力団はどこもピラミッド組織。
そのなかで一番大きく堅牢なのが、六代目山口組のピラミッド。その頂点に君臨するのが司忍親分だが、山口組関係者の間では総理大臣より、その顔を見ることが難しいと噂もあるほどだ」
E氏によると「『オレは山口組だ』と威張る組員の8割、いや9割近くは親分の顔を実際に見たことも声を聞いたこともなく、マスコミやネットの写真などで顔を見るだけだろう。
アサヒ芸能や週刊実話の記者のほうが、よほど親分の顔を直接見たことがあると思う」と話す。