カッコよさ重視がFFらしさ
今にしてみれば「ファイナルファンタジー」というタイトルには実にFFらしい、終末感、悲劇性、リリシズムのようなものが感じられて「ファイティングファンタジー」よりも断然マッチしたタイトルですが、そもそもこの「お客さんからどう見られたいか」というカッコよさ重視、スタイル重視という姿勢自体にFFらしさ、スクウェアらしさがあると思います。
商売っ気の強い大人たちの「プロデュース」によって、周到な準備のうえで市場へ送り込まれたドラクエと比べると、このときのスクウェアは、自分たちが面白いと思うゲーム、カッコいいと感じるスタイルを信じて突き進む挑戦者だったのです。そういう、よくも悪くも青臭さのある、若者ならではのクリエイティビティが初期FFから今日まで通じる魅力のひとつでしょう。