ドラクエによるRPGのポップ化
初の国産RPG群の誕生からまた数年後、いよいよ1986年に『ドラゴンクエスト』がファミリーコンピュータ(ファミコン)専用ソフトとして発売されます。ここまでの『ローグ』『ウルティマ』『ウィザードリィ』『ザ・ブラックオニキス』『夢幻の心臓』そして『ドラクエ』、これらのRPGをプレイ画面のデザインで比較してみると、『ドラクエ』で突然、ポップな絵柄になるのがわかると思います。
このビジュアル的変化は、当時『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』で時代の寵児となっていた鳥山明さんによるキャラクターデザインのポップさによる部分が大きいですが、ドラクエはそれ以外にも様々な作品的工夫と緻密なプロデュース戦略によって「マニアの趣味」だったRPGという遊びを、「大衆娯楽」というポピュラーな地位まで一気に押し上げることに成功しました。
これが初代『ドラクエ』の大きな功績です。
実際にファミコン用ソフトの初代『ドラクエ』は150万本を販売、翌1987年発売の『ドラゴンクエストⅡ』(『ドラクエ2』)は240万本、翌々1988年発売の『ドラゴンクエストⅢ』(『ドラクエ3』)はなんと380万本の大ヒットとなり、ドラクエは社会現象化していきます。