ささやかな自由まで手放してはいけない
いずれにしても生活の風通しがよくなります。その日の気分で食べたいものを食べるという、ささやかな自由まで手放してはいけないような気がします。
また、習慣的に外で食べるようになると、食べたい料理の幅が広がるというメリットもあります。
老夫婦の会話として、晩ごはんの献立に困った妻が「何か食べたいものはある?」と夫に聞いても、「うーん、とくにない」「何でもいいよ」といった答えしか返ってこないことがよくあります。これは、夫が遠慮して意見を伝えないわけではなく、実際に食べたいものが何も思い浮かばないのです。
いつも妻の作る料理や冷蔵庫の中のありあわせのものだけ食べていると、食べることが完全に受け身になってしまいます。あるもの、出されたものを食べるだけになってしまうと、「何か食べたいものは?」と急に聞かれても返事ができないのです。
ランチを外食にすることで脳が活性化される
食べることは80代になっても、90代になっても、100歳を越えても、生きている限り続く楽しみではないでしょうか。
「あれが食べたいな」「これが食べたいな」と料理を思い浮かべてお腹がグーッと空いてくるというのは元気な証拠です。
ランチ外食で、とくにメニューを決めていなくても、街を歩いていろいろな店の看板を見ているうちに「ハヤシライスはずいぶん長いこと食ってないな」と急に気がつくことがあります。「そうだ、餃子が好きだったんだ!」と突然思い出したりもします。
つまり、ランチ外食をすることで「食べたい」という気持ちが刺激されます。当然、脳も活性化します。しばらく食べていなかった料理や根っから好きだった料理を思い出し、食生活が豊かになってくるのです。
食べたい料理がいくつも頭に浮かんでくるというのは、それだけでも幸せなこと。気分も明るくなってきます。
ランチを外で食べると決めるだけで、解き放たれるものがたくさんあるのです。そのためにお金を使うことは、決して無駄ではないと思います。