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「がん」は誰にでも起こりえる

日本人の死因として、最も多いのは「がん」です。

がんはほかの病気に比べると致死率が高いし、治療時の抗がん剤などによる副作用が苦しいせいか、「がんになったら死んでしまう」「がんになりたくない」と考えている方が非常に多いです。

ただ、実はがんという病気は、歳を取ると誰にでも起こりえる病気です。がんは、うまく分裂できなかった細胞が次第に増えていった結果、起こります。

そして、歳を重ねるほど細胞の正確な分裂は難しくなり、できそこないの細胞が増えていきます。つまり、がんは老化現象の一種なのです。

「ガンは放置したほうが長生きできると思う」「高齢者は大学病院に行くな!」人気東大卒医師が警鐘_1
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無理に手術や治療をすると体に大きな負担

以前、私は毎年100人以上の高齢者の解剖結果を目の当たりにしてきましたが、85歳以上の人で体内にがんが見つからない人はひとりもいませんでした。

若い人の場合はがんになると進行が速いのですが、多くの高齢者の場合、進行がゆっくりです。だから、70代以上の方ががんの告知を受けた場合は、過度に治療せず、放置したほうが実は長生きできるのではとも思います。

まだ体力がある若い人ならば、手術や治療でがんを治すことを考えるのもひとつの方法ですが、若い頃に比べると体力が弱い高齢者の場合は、無理に手術や治療をすると体に大きな負担を与えます。