医師「自分が病にかかって死ぬならがんがいい」

QOL(人生の質)を著しく下げながら余生を過ごすよりは、がんとともに残りの人生を悔いなく楽しく過ごすという選択もありだと思うのです。

実際、医者の間では、「高齢者にとって、がんは幸せな病気」「自分が病にかかって死ぬならがんがいい」などと言われることも多いのです。それは、自分の死期がわかるし、高齢者の場合は進行が遅いので、手術や治療をしなければ、最後の最後の段階になるまではさほど痛みや苦しみを感じずに済みます。

死期がわかっているからこそ、自分の人生を悔いのないように思いっきり謳歌できる。その点も、「がんが幸せな病気」と言われるゆえんではないでしょうか。

「ガンは放置したほうが長生きできると思う」「高齢者は大学病院に行くな!」人気東大卒医師が警鐘_2

実験台が嫌なら大学病院に行くな

病院を選ぶとき、ひとつ覚えておいてほしいのが、大学病院は避けるということ。

多くの人は、「大学病院のほうが最先端の研究をしているので、よい治療が受けられるに違いない」「大学病院の最高峰である東京大学での医療が一番いいはずだ」と考えがちです。

でも、私自身が思うに、自分が〝実験台〞になってもいい、あるいは医学の進歩のために貢献したいという気持ちがない限りは、大学病院を選ぶ必要はありません。

アメリカをはじめとする海外の国では、大学病院は一般の病院よりも治療費が安く設定されています。その理由は、大学病院は、研修医に学びの場を提供したり、患者さんの体を病気の研究のために活用しているからです。普通の病院のように「治すこと」を専門にしていない分、大学病院に入院する場合は、まだ不慣れな研修医たちの練習台や新しい薬の実験台になることも厭いとわない気持ちを持つことが必要です。