「まるでマリーアントワネット」との呆れの声も
そんな小渕氏にとって、飛躍の足かせとなっているのが、2014年に起こった「ドリル」事件だ。
「小渕氏の関連政治団体である後援会の収支報告書で、観劇会を開催した際の収入を支出が大きく上回るなど、虚偽の記載が多数発覚。結局、元秘書2人が政治資金規正法違反で有罪判決を受けました。
問題が明るみになった直後、事務所関係者が証拠となるハードディスクをドリルで破壊していたことで、世間に大きな衝撃を与えました。
いまだに“小渕氏=ドリル”のイメージは根強く残っています。それだけに、小渕氏を重要ポストで起用するならば、国会で野党の追及を受ける閣僚ではなく、幹事長や政調会長、総務会長といった党幹部が規定路線です」(前出の政治部記者)
イメージの払拭に苦しみつつも、着々と、復権に向けた足場を固めつつある小渕氏。地元・群馬県ではドリル事件の後も「姫」と呼ばれ続けているという。
「元首相の娘という家系ゆえの呼び名です。ただ、ドリル事件の際には『後援会の幹部が次々に検察に呼ばれ、長時間の聴取を受けているというのに、後援会にお詫びの電話一本もしてこない』というぼやきも聞こえており、『まるでマリーアントワネットみたいに図太い』という皮肉も込められています」(地元記者)
そんな呆れ声が上がっても、いまだに地元でも永田町でも首相候補とされるのは、「姫」の「ジジ殺し」の才覚ゆえのようだ。
「元首相の娘ですが、気さくで明るい。お酒にも強く、宴席では下ネタにも『ウケる~!』と大笑いするなど、おじさんたちの心をつかむのがうまいのです。先日亡くなった青木元官房長官や森元首相など、大物にもかわいがられてきました」(自民党関係者)