人間は死ぬまで焦燥感や絶望感にかきまわされている

『原爆の子』『裸の島』などの作品で、海外で高い評価を得た映画監督で脚本家の新藤兼人さんは、90歳を過ぎて受けたインタビューでこう話しています。

──四十か五十の時に、シナリオで老人を書いてるわけ。その時の老人というのはね、盆栽に水をやっているとか、孫の頭をなでてるとか、たいがい善人なんだよね。(中略)(では、真実の老人は?)もう取り返しがつかない絶望感だとか、もう未来が少なくなったような焦燥感だとか、あるいは、あいつにやられたけど復讐をもうできないとかね、そういう妄想にかきまわされてるわけよ、老人って。悟るなんていうようなことはできないですよ、人間というものは……(中略)。
五十や六十で迷ったりしちゃいけないんじゃない?これから始まるときなんじゃないですか。(高任和夫著『仕事の流儀〜28人の達人たちに訊く』日経BPより)

大谷翔平選手の脅威のパフォーマンスの要因の一つは両利き使いによる脳の切り替え!? 両利き人間がこれからの時代を背負っていくのは本当?_2
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まだまだ40歳。「ここで終わりだ。突然、状況が変わるような出来事は……起きない」(byブラッド)などと絶望してる場合じゃないのです。

フランクルは、「人生を意味あるものにするには、具体的に活動することだ。自分の活動を通じて、もっと有意義で、もっと意味に満ちた人生を送ることができる」と一貫して主張し続けました。私なりにフランクルの主張を言いかえれば、「止まない雨はない」ってこと。どんなどしゃぶりの雨に降られようとも、どんな暴風が吹き荒れようとも、雨は必ず止みます。この地球上に24時間365日雨が降り続いてる地域はありません(はい、元日本一のお天気ねーさんです)。

明後日の方向ばかり見るのではなく、そのとき、その瞬間できることをやる。ひとりきりでがんばらずに、いろいろな人の傘を借りながら雨をしのぐ。そうやって「具体的に活動する」と、雲の切れ間から太陽の光が降り注いだときに人間的に成長します。

#1『『バカ』『飛ばすぞ』…若い社員には躊躇するが、40代にはこれくらい言ってもいいだろう…パワハラ被害者は圧倒的に40代のベテラン社員ばかりだった』はこちら

#2『47.2歳が人生で“一番不幸”と感じる年齢。自分の可能性は消え、増える「息子介護」…超高齢化社会に生きる40代に訪れる“ミッドライフクライシス”とは』はこちら

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河合薫
大谷翔平選手の脅威のパフォーマンスの要因の一つは両利き使いによる脳の切り替え!? 両利き人間がこれからの時代を背負っていくのは本当?_5
2023年6月8日
1375円(税込)
‎328ページ
ISBN:978-4847066931
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