大平、宮沢元首相はサミット開催年に解散総選挙
サミットを経て上り調子の自民だが、公明とは衆院選に向けての候補者擁立で対立が深まっている。
23日には東京28区で独自候補を擁立しようとしている公明の石井啓一幹事長に対し、自民の茂木敏充幹事長が「すでに候補者を決めており、地元の理解が得られない」などと、受け入れられない考えを伝えた。
公明周辺は「公明は選挙を経るごとに創価学会の組織票が減っており、また、統一地方選で大阪市議会の単独過半数を獲得した維新が、これまで公明と衆院選で候補者をすみ分けてきた協力関係をリセットすると宣言した。逆境に立たされているなか、衆院小選挙区の『10増10減』で増えた東京の選挙区を何としてでも獲得したい」と話す。
また、統一地方選後に勢いを増している維新への警戒感もなくなったわけではないが、自民党関係者からは「維新に勢いが出ているとはいえ、関西圏以外では、まだ小選挙区で勝ち上がれるほどの地力はない。立憲と維新の野党同士で候補者をぶつけ合って潰し合っている側面もあり、解散をためらう理由にはならない」という見方も出ている。
岸田首相はサミット開催前の17日、自身が会長を務める派閥・宏池会の会合で「宏池会から誕生した5人の総理のうち、大平正芳総理、宮沢喜一総理、そして私に共通することがある。7年に一度しか巡って来ない日本でのG7サミットの議長を務めるということだ」と胸を張った。
実は大平氏と宮沢氏にはもう1つ共通点がある。それは、サミットを開いた年に解散総選挙をしているということだ。
岸田首相もサミットを主導した宏池会3人目の総理として、先人と同じ道を踏襲するのか。
6月21日の国会会期末に向けて、永田町では様々な思惑や発言が飛び交っている。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班