「自分がコロナに罹ったという妄念が頭を離れない。
俺だけならいいが、もしそれが他人に感染ってしまったら?
ちょうど明日、編集のSさんがお見舞いに来る。
糖尿病を患っているSさんに感染すれば、
最悪、死に至ってしまかもしれない。
そうなる前に、俺が死ねばいいんだ」(相原)
――作中で描かれる首吊り自殺を試みるシーンが衝撃的でした。
相原 はい。でも結局、愛猫の“きゅんきゅん”に見つめられて断念するんですけどね。この子の前では死ねないと(笑)。その後も溺死を試みたりするのですが、辛くてやめてしまったり。
そういった細かな感情の動きもできるだけリアルに伝えてくて。そういった意味で、モンド映画のような「やらせ」はないですね。
――では、読者に向けて何かコメントを求められても難しいですか?
相原 そうですねえ。
でもあるとしたら、あんまり「心の病気」と思いすぎないでほしい、ってことですねかね、うつを。仕事のストレスとか、人間関係とかで塞ぎ込んでうつになっちゃう、みたいなイメージが強いと思いますけど、そうとは限らない。
ある日突然、なるんですよ。棋士の仙崎学の『うつ病九段』でも描かれてましたけど、特に心の問題を抱えていなくても、誰でも突然なる可能性がある病気なんです。
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