「『別マ』にいたことは、今でも私の誇りです」
Q.8 「別冊マーガレット」で『ラブ★コン』などヒット作を生み長く描いてこられた後、「YOU」で『ダメな私に恋してください』、「ココハナ」で『おとななじみ』『狼に鈴』と場所を変えて連載してみて、どんなことを感じましたか? また、「別冊マーガレット」を振り返ってあらためてどんな雑誌だと感じていますか?
笑いを描くために漫画を描いているような私なので、大人向けの少女漫画誌ではその加減が難しすぎるな、と思います。私の作る笑いが小学生並のアレなので、ほら、うんことかすぐうれしがって使うでしょ、そういうところがもうアレです。
もうちょっと大人向けの笑いを考えないといけないと思うんですが、好きな笑いがソレなので仕方ないです。
「別冊マーガレット」は私の中で少女漫画の神雑誌であり、憧れの先生方がいらっしゃる神聖な場所だったので、綺麗な少女漫画を描かなきゃいけない!という気持ちが強く、ずっと私を苦しめ続けました。描けもしないのに。なので、担当編集さんに「好きなように描いてください」と言われないと何も描けなくなったりしました。
『ラブ★コン』は少女漫画かって言われるとそうでもない気がします。あれはわざわざ「好きなように描いてください」と言ってもらえて初めて好きに描けた漫画で、少女漫画であることをあまり意識せずに描けました。だからたくさんの男性読者さんにも読みやすいと思っていただけたのかなと思います。
「別冊マーガレット」にいた間はそうしてしんどいことも多かったですが、今でも私の誇りです。
Q.9 ここ数年で、作画環境や読書環境のデジタル化が進み、漫画というメディアが大きく変わってきているように思います。そのような変化をどのように感じていますか? ご自身がデジタルで描くようになって感じたこともお教えください。また、縦スクロールなど新しい形式の漫画を読んでみて感じること、描き手として興味をお持ちかどうかについてもお教えください。
『おとななじみ』の途中で急遽アナログからデジタルにしたのはコロナ禍で仕方なくでしたが、作業はすごくラクになりました。
個人的に描くのが好きな服の模様のバリエーションが増えたり、小物の装飾を凝ったり出来るのがいいです。完成データをすぐに送れるのもありがたいです。
漫画のデジタル化に抵抗があったのは初めだけで、一生懸命描いたものがほとんど無料で配信されるとかエー!と思ったりしましたが、紙の本がなかなか手に取ってもらえない昨今、デジタルで過去作も目にしていただける機会が増え、今ではいいものだと思っています。
縦読み漫画もいいと思います。私も漫画のグローバル化は素敵だなと思うので、さまざまな国の方に読んでもらえるよう、進化についていきたいです。