突然娘が「学童が嫌だから学校にも行かない」と言い出した

これまで学童保育は多くの地域で、あったとしても「原則として1つの小学校に1つ」が通例だった。Aさんが勤めるような学童保育や、環境が劣悪な学童保育であろうと、共働きの親は学童保育に頼るしかないのが現状だ。
北関東で3人の子どもを持つBさん(40代)に話を聞いた。Bさんは長女と次女が学童に通い、下の子は保育園に通っている。

「娘が通っていた学童は150人近くの児童が在籍する“すし詰め状態”の学童でした。おもちゃや本を持って行くと『私物が混ざると管理できない』と言われ、何をやるにも『禁止』とばかり言われていました。学童内でやれることといったら折り紙くらいで、それもまるで配給みたいに配られた枚数しか使えない。

〈学童保育のリアル〉児童がすし詰め状態で支援員の目が行き届かずトラブル続出…学童が嫌だから学校にも行かない」と言いだす子ども…高齢者支援員の限界をベテラン支援員が吐露_3
すし詰め状態の学童保育

学年も違う子どもたちが一つの部屋に集められていますが、子どもの中にはやけに衝動的な子もいて、むかってくるような子もいます。でも子どもの数が多すぎて職員は手がまわらない。人数が多いせいか、いつも『みんなで遊ぶ』『みんなで黙っておやつを食べる』みたいな集団主義みたいなやり方なので、マイペースなうちの子は行きたがらなくなってしまいました」

Bさんの長女が通っていた学童保育では、子どもの受け渡しをする際、常に園の入口前に保護者の列ができていたという。当時はコロナ対策で親であっても施設内に入ることが許されなかったからだ。これでは支援員も受け渡しの対応に追われっぱなしで、保護者とまともに会話すらできないだろう。

〈学童保育のリアル〉児童がすし詰め状態で支援員の目が行き届かずトラブル続出…学童が嫌だから学校にも行かない」と言いだす子ども…高齢者支援員の限界をベテラン支援員が吐露_4
塞ぎこむ子どもも少なくない(写真はイメージ)

「一時が万事そんな状況ですから、突然娘が『学童が嫌だから学校にも行かない」と言いだしたんです。『学童を辞めさせる=私も仕事ができない』ことになってしまうので、正直困りました。娘に頭を下げて『お母さんは仕事だから、あなたも頑張って学童に行こう』とお願いしたんですが、娘は泣いてしまいました」(Bさん)