だが、森本の演技には情熱がある
長谷川役から“芸人再現のプロ”となった森本が今、演じているのは山里亮太役。
時同じく、朝の情報番組『DayDay.』(日本テレビ系列)の司会者となった、本人。月曜から日曜までメディアで彼に触れない日はないほどの人気者にのし上がった。
そんな人物を演じるのはさぞ緊張感があるだろうと思って、第一話を観た。が、そこには思い切り鼻の穴を膨らませて、エネルギーを爆発させたいとジリジリしている、若かりし頃の山里そのものがいた。
で、冒頭の「……あれ? どっちが山里?」という疑問が飛び出すわけである。
どこまで繊細な役作りをしたのかは分からないけれど、そこには熱量がある。AIがどうのこうのという時代ではあるけれど、最後に何かを動かすのは人から発せられる熱量だと思う。演技越しではあるけれど、森本の演技には、ある。情熱がある。
ひょっとしたら森本は演じている最中だけ、アイドルを捨てているのかもしれないと。
『泳げ! ニシキゴイ』で見た法則で行くと、森本慎太郎の演技は放送回数を増すほど、本人に似てくる傾向がある。今回の山里役も最終的には『DayDay.』にしれっと登場しているほど、似てくるんだろうと今から楽しみで仕方がない。
文/小林久乃