友達のいない順也に近寄っていったのはAくらい
「先程も言いましたがAは不良ではなく、本当に怖いグループの前ではおとなしかったので、少なくとも中学時代は無理矢理にお金を払わせることはできなかった。順也は友達をうまく作る方法がわからなくてお金で引き留めるというか、そういう部分がありました」(同級生)
当時、小川容疑者は農家の祖父と大工の父親、軽度の障害を持った母親と、重度の障害を持った妹と暮らしていた。彼は複雑な家庭環境にコンプレックスを抱いていた節があり、対人関係を上手く構築できなかったという。
「劣等感というか、闇というか、そういう部分が順也にはありました。だから友達とどう付き合っていいかわからず、お金に頼るという発想をしていたのかもしれません。順也は暗いし面白味もないので、みんなわざわざ近寄らないなか、Aだけは近寄っていってました。『順也の家はそれなりにお金があった』ってAから聞きました」(同級生)
Aさんは中学卒業後、地元を離れて寿司屋に修行に出向いたが、すぐにまた地元に戻ってきた。しかし、Aさんは施設を退所していたため地元に家がない。そのため、小川容疑者の自宅から車で10分かからない旅館を根城にしていたという。旅館の関係者が語る。
「たしかにその頃にその年代の子が泊まりにきてましたよ。宿泊費は当時の値段だと4000円くらいですかね。児童養護施設の子だというのは知っていましたが名前は覚えてません。
1人ではなく複数人で泊まりにくる時もありましたが、週に1度とかそのくらいの割合でしか来てないと思いますよ。『友達と遊ぶために来てるんだ』と言っていたのは覚えています」
(同級生)