解散風が日に日に強まる中で出た“怪文書”その狙いは?
怪文書の内容はこうだ。
解散日程や内閣改造について「岸田首相は予算関連法案が仕上がる31日に衆議院を解散して大勝し、選挙後に内閣改造して政敵高市早苗を切るつもりのようだ」と言及。解散は天皇の国事行為として行われるため、「すでに天皇陛下の30日、31日の日程を押さえた」という。
その背景について「岸田首相には、このところの支持率の上げ基調は、好機と映っているようだ」「解散を前倒しした方が野党の準備は整わない」と指摘。「自民党は東京などの空白区を公募で埋めるメドがついたと森山選対委員長が先週報告した時に、岸田首相の目が光ったという」とのエピソードまで紹介した。
そして、最後は「もっと早く気づくべきだった」という意味深なメッセージで筆が置かれている。
この怪文書に触発されてか、公明党の山口那津男代表は、予算成立後に岸田首相が挨拶に来た際に、握手を交わしながら「解散じゃありませんね?」と釘を刺し、岸田首相は「あ、いや、統一地方選挙です」と苦笑いをしながら応じる一幕も見られた。
岸田首相は、その後に官邸で報道陣から解散について問われると「今後については間違いなく取り組んでいかなければいけない課題、これは統一地方選挙と衆参の補欠選挙であると思っています。それとあわせて先送りできない課題について取り組む、今はそれしか考えておりません」と答えるにとどめた。
怪文書にあるような、31日解散という目と鼻の先の「超早期解散」はいくらなんでも考えにくいが、それでも永田町での解散風は日に日に強まっている。
解散風が強まると、与党議員に準備を促すように、はたまた野党議員を揺さぶるように、こうした怪文書が永田町で出回ることは往々にしてよくあることだ。