野球人口の減少を止めるためには…

山本由伸の出身チームである東岡山ボーイズにとっても、近年の野球人口減少は

由々しき問題だ。現在の所属人数は3年生が引退し、1~2年生だけで11人。決して多くはない。一時は県内に17あったボーイズチームも、今は13まで減少している。

「ウチはお茶当番なども強制はしていないし、いろいろと工夫もしているんですけど、今は娯楽も多いですし、子どもがやるスポーツの選択肢も増えてきました。サッカーも子どもの数が足りなくなっているし、バスケットボールは少し増えているのかな。
もちろん、いろんなスポーツをやることは大歓迎ですけど、長く少年野球の指導者をやっている身としては、やはり野球をやる子どもが減っているのは少しさみしいですね」

野球界全体で考えなければいけない、野球人口の減少。
そのためには、OBである山本由伸のような一流選手の活躍も不可欠だ。

「彼の存在は、チームの子どもたちにとっても本当に大きいですね。毎年顔を出してくれるのも、すごく良い経験になっている。どんな教科書よりも由伸のキャッチボールを見るほうが刺激になるでしょう。その意味では、地元はもちろん、日本の子どもたちのために、これからも由伸らしいプレーをみんなに見せてほしいですね」

実際に取材中、チームの子どもたちから『由伸さんの取材ですか?』と話しかけられるシーンもあった。現役の選手にとっても、やはりチームの大先輩・山本由伸という選手は大きな存在なのだろう。

プロ野球選手は、いつの時代も野球少年、野球少女のあこがれだ。

自然豊かな岡山県の河川敷グラウンド――。
日本のエース・山本由伸の原点は、確かにそこにあった。

#1 「中学時代に本気で走っている姿を見たことがない」山本由伸の処世術

写真:CTK Photo/アフロ

『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)
花田雪
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2022年12月23日
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