罪をなすりつけ合う渡邉容疑者ら
「すごいね、あの人たちって」
彼らに直接会ったことがあるというフィリピン、マニラの警察官が、そう言って驚いていたと、ある暴力団関係者は明かした。
「何がすごいのか」と聞けば、「罪のなすりつけ合いがすごかった」というのだ。
「その警察官は少し日本語がわかるから、『ここからここまでは自分がかぶってやるが、ここからはお前がかぶれ』とか『××円払うから、こうしてくれ』といった会話を聞き取っていたようだ。日本から記者がやってくるようになると、罪のなすりつけあいがエスカレートしていたらしい」(暴力団関係者)
渡邉優樹容疑者と今村麿人容疑者の収容先だったフィリピンのビクタン収容所内で口裏合わせをする動画が2月11日に「サタデーステーション」(テレビ朝日系)で公開されたが、暴力団関係者は「その警察官が見た時は、こんなものではなかったらしい」と話す。
渡邉容疑者は動画の中で、終始、自分が指示役として報じられることを嫌がり、今村容疑者も「俺が指示役だって言うのはやめてよ」と話していた。その様子を見た暴力団関係者は「罪を押し付けあっても、刑期はあまり変わらないのにな」とあざ笑う。
指示役はこの男たちなのか、それとも黒幕がいるのか。
裏に暴力団組織がいるとも囁かれているが、「たとえどこかの組がケツ持ちをしていたとしても、(その組は表に)出てこないだろうな」と、ある暴力団幹部は話す。
暴力団組織が嫌うのは、この件で新たに逮捕される人物がいたとして、その中に現役組員が含まれていることだ。組織はどこも特殊詐欺を禁じ、見つければ処分して組長が使用者責任を問われることを避ける。渡邉容疑者らが組織と関係を持っていたのは20代の頃で、それ以降の関わりはまだ見えてきていない。