交際相手らには「子供が邪魔だ」と漏らしていた
調べによると田代容疑者は昨年4月22日ごろ、自宅で息子の空来(そら)ちゃん(当時2歳)の頭に暴行を加え、死なせた疑い。田代容疑者は翌23日になって119番通報し、空来ちゃんは病院に運ばれたが、頭部打撲による頭蓋内損傷で死亡した。
死因などから不信感を抱いた病院が警察に通報、同署が捜査を続けていた。田代容疑者は「納得がいきません」と犯意を否認しているものの、交際相手らには「子どもが邪魔だ」と漏らしていたといい、同署では詳しく動機などを調べている。
田代容疑者のSNSを見ると、2014年4月から「既婚」となっており、同年12月には空来ちゃんの姉とみられる女児を抱いて、男性とローソクを灯したケーキを囲んだ姿をカバー写真に設定していた。その後もたびたび女児の写真を掲載し、自らを「1児mama」と紹介。加えて横浜市や川崎市のキャバクラ店で働いていたことなども記載していた。
その一方で田代容疑者は、空来ちゃん妊娠時の定期検診を受診せず、母子手帳の作成も怠っていたことから、医療機関が平塚児童相談所に通告。同児相はネグレクトの疑いが濃厚と判断し、平塚市内の病院で出産後まもなくの2019年6月から、空来ちゃんの乳児院での保護を開始した。しかし、しばらくして田代容疑者から「子どもと一緒に暮らしたい」と申し出があったという。
「すぐにお返しするわけにはいかないので、時間をかけて慎重に対応しました。まず一昨年の4月から週一回乳児院に面会に来ていただき、同6月からは施設の近くの公園で面会し、どういう交流ができているのか確認しました。その後順次、施設外の近隣への外出や、自宅への外出を重ね、同年の大晦日には一泊を認めました。昨年の2月末からは12日間連続で自宅へ宿泊し、田代さんがお子さんに寄り添って上手に育児できる様子が確認できたので、昨年3月末をもって乳児院を退所し、空来さんをお返ししました」(平塚児童相談所)
当時、住んでいた藤沢市のマンションには、空来ちゃんの弟も同居していたという。しかし、一年がかりの慎重な準備もむなしく、退所翌日に自宅に児相の職員が面会に行くと、空来ちゃんは顔にあざを作っていた。この際に田代容疑者は「どこかにぶつけんだと思う」とシラを切り、翌日以降は児相の職員が何度訪ねても「熱を出した」などの言い訳で面会を拒み続けたという。