「好きなものを着たい」に応える
――オーダーを取ることにしたのはなぜですか?
直接の問い合わせがきっかけです。インスタグラムで作品をご覧になった外国の方が作ってくれとDMで問い合わせをくださったんです。
――海外からだったんですね。
耳が早いのか、行動力があるのか、募集もしていないのに問い合わせが来ました。けっこうな件数をそういう形で受注していましたよ。
受注会を始めたのはその後です。国内の方のオーダーは確か受注会を始めてからですね。いずれにせよ、「好きなものを着たい」という同じ気持ちがあるんだなと。
――「好きなものを着たい」。
ライブTシャツのようなものの上位互換なのかなと思うのですが、編んでもらいたいほど好きってすごいことです。
――確かに、ニットにまでしてもらうと満足感はすごそうです。
オーダーされるのはとにかくその人が大好きなものですね。一世を風靡していたアニメの図案で6着オーダーされた方もいました。
好きな漫画やミュージシャンというのも多いですが、ペットや亡くなったご家族というオーダーも少なくないです。
僕自身のオリジナルはどちらかというと図案として映えるかどうかで編むモチーフを決めているので、自分では着ないんです(笑)。
――映える、映えないがあるんですね。
メジャー過ぎるとイマイチはまらないんです。ふざけてるやつとか、ちょっとズラしたもののほうがニットにハマる。
「三億円事件」のモンタージュなんかはモチーフとして最高でした。怒られなさそうですし(笑)。
――オーダーするのはどんな人ですか?
ハイブランドの既成のセーターくらいの価格なので、率直に言えばお金持ちだなあと思う方が多いです。
でも普通のお勤めの方もオーダーしてくださって、そこに熱量を感じる。だからそれに応えたいと思っています。
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作品のインパクトで「好きなものを着たい」という意外なニーズを引き当て、編み物を仕事に昇華させた編み物☆堀ノ内さん。
定期的にオーダー受注会を開いているので、着たいほど好きなものがある人はぜひチェックされたい。
編み物☆堀ノ内
公式HP>>
https://www.amimono.tokyo/
Instagram>>
@amimono_horinouchi
取材・文・撮影/宿無の翁
写真提供/編み物☆堀ノ内