「好きなものを着たい」に応える

――オーダーを取ることにしたのはなぜですか?

直接の問い合わせがきっかけです。インスタグラムで作品をご覧になった外国の方が作ってくれとDMで問い合わせをくださったんです。

――海外からだったんですね。

耳が早いのか、行動力があるのか、募集もしていないのに問い合わせが来ました。けっこうな件数をそういう形で受注していましたよ。

受注会を始めたのはその後です。国内の方のオーダーは確か受注会を始めてからですね。いずれにせよ、「好きなものを着たい」という同じ気持ちがあるんだなと。

アインシュタインもナマ肉も三億円事件もペットも完璧に編み込む! “好きなものを着たい”に応えるオーダーニットに注文殺到【ニットの日】_10
さまざまなオーダーに応える大量の毛糸。使っていた色が廃盤になることも多く、毛糸の色をそろえるのも大変とのこと

――「好きなものを着たい」。

ライブTシャツのようなものの上位互換なのかなと思うのですが、編んでもらいたいほど好きってすごいことです。

――確かに、ニットにまでしてもらうと満足感はすごそうです。

オーダーされるのはとにかくその人が大好きなものですね。一世を風靡していたアニメの図案で6着オーダーされた方もいました。

好きな漫画やミュージシャンというのも多いですが、ペットや亡くなったご家族というオーダーも少なくないです。

僕自身のオリジナルはどちらかというと図案として映えるかどうかで編むモチーフを決めているので、自分では着ないんです(笑)。

アインシュタインもナマ肉も三億円事件もペットも完璧に編み込む! “好きなものを着たい”に応えるオーダーニットに注文殺到【ニットの日】_11
ペットのモチーフも製作している
アインシュタインもナマ肉も三億円事件もペットも完璧に編み込む! “好きなものを着たい”に応えるオーダーニットに注文殺到【ニットの日】_12

――映える、映えないがあるんですね。

メジャー過ぎるとイマイチはまらないんです。ふざけてるやつとか、ちょっとズラしたもののほうがニットにハマる。

「三億円事件」のモンタージュなんかはモチーフとして最高でした。怒られなさそうですし(笑)。

――オーダーするのはどんな人ですか?

ハイブランドの既成のセーターくらいの価格なので、率直に言えばお金持ちだなあと思う方が多いです。
でも普通のお勤めの方もオーダーしてくださって、そこに熱量を感じる。だからそれに応えたいと思っています。

◆ ◆ ◆

作品のインパクトで「好きなものを着たい」という意外なニーズを引き当て、編み物を仕事に昇華させた編み物☆堀ノ内さん。
定期的にオーダー受注会を開いているので、着たいほど好きなものがある人はぜひチェックされたい。

アインシュタインもナマ肉も三億円事件もペットも完璧に編み込む! “好きなものを着たい”に応えるオーダーニットに注文殺到【ニットの日】_13
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編み物☆堀ノ内
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取材・文・撮影/宿無の翁
写真提供/編み物☆堀ノ内