入浴施設で女性の裸を盗撮させたほか、女子高校生にわいせつな動画などを送信させたなどとして警視庁は8月10日、「山田養蜂場」(本社・岡山県苫田郡鏡野町市場)専務取締役の山田満生容疑者(33)を東京都迷惑防止条例違反と児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕した。
調べでは、山田容疑者は昨年12月1日、都内在住の知人女性(無職・27)に東京都八王子市の入浴施設の脱衣所で客の女性複数の裸を盗撮させた疑い。これとは別に一昨年2月から7月にかけて、SNSを通じて知り合った女子高校生(当時17歳)に撮影させたわいせつな画像や動画約30件を、自分のスマートフォンに送信させた疑いもある。山田容疑者は先の知人女性とは「パパ活」と呼ばれる援助交際で知り合ったという。
社会部記者が解説する。
「山田容疑者は3年前に『パパ活』をしていたこの女と出会い、当初は本人の裸の画像数点の報酬として35万円を支払った。その1年後、再び女から援助を求められた際に『あなたには飽きたので他の女性の裸が見たい』と持ちかけた。女は一度は『犯罪だから』と断ったものの、昨年11月になって山田容疑者に連絡を取り、盗撮を実行したのです」
〈山田養蜂場・専務逮捕〉「あなたには飽きたので若くてきれいな人の裸をたくさん撮ってください」成功報酬は14万円、高級車5台を乗り回し、実家は温泉かけ流しの豪邸、地元の名家3代目ボンボンの呆れた素顔
従業員300人以上を抱える、国内を代表する養蜂業者の御曹司が、盗撮指示やわいせつ行為などで、お縄になった。地域貢献活動にも熱心に取り組んできた、当地発の「優良企業」の評判を一瞬にして奈落の底に突き落としたドラ息子の「ご乱行」に、地元住民は肩を落としている。
パソコン内に18歳未満の少女と性交している動画が…

山田満生容疑者(本人SNSより)
山田容疑者はこの際、「不特定多数の女性を撮ってくれたら支援する」「若くてきれいな人をたくさん撮ってください」と指示し、盗撮は都内の入浴施設で計3回行われたという。
「女は2回目までに成功報酬として14万円を受け取り、初回と同じ場所で盗撮に及んだ3回目に現行犯で逮捕された。入浴施設側が警戒していたものとみられます。取り調べに対して女は『山田に指示を受けた』と供述している。この際に山田容疑者から任意提出されたパソコン内に18歳未満の少女と性交している動画が見つかり、相手に金銭を支払ったことを認めたため、7月下旬に児童買春容疑で逮捕しています」(前出・社会部記者)
今回の盗撮はそれに続く再逮捕であり、この買春とは別の女子高生にわいせつ動画を送らせたとして児童ポルノ法違反にも問われた山田容疑者は、エロ事師としてはかなり“年季”が入っていたみられる。
父親の山田英生社長はこれを受けて15日、息子を14日付けで解任したと発表したが、遅きに失した感は否めない。同社の広報担当によれば、満生容疑者が最後に出勤したのは7月28日で、それ以降は逮捕の報道があるまで社長も含めて全社員がその行方を知らなかったという。

父親の山田英生社長は息子を14日付けで解任した(山田養蜂場HPより)
「満生さんは山田養蜂場では専務の立場なので、経営全般・財務・販促を担当していて、打ち合わせや会議が多かったです。みつばち農園の経営者でもあるので、農園に顔を出すことも度々ありました。最後に見かけたのは報道の2週間以上前にはなりますが、出社してこない異変には気づけなかったです。逮捕のことを誰か社員が知っていたらこのような後手後手な対応にならずに済んだとは思います、大変申し訳ないです」(山田養蜂場広報担当者)
通販でハチミツやプロポリスを売り始めて大当たりしたんです
山田養蜂場は1948年、山田政雄氏が創業、全国の百貨店の物産展に出品して獲得した顧客を通信販売でリピーターとして囲い込む手法で成長した。ローヤルゼリーの研究にも成果をあげた政雄氏から1988年に経営を引き継いだ息子の英生氏は、さらに通信販売部門を強化してテレマーケティングセンターを開設し、東京や大阪に直営店を出店。
国内外の養蜂業者と提携を強化し、はちみつやローヤルゼリーに加え、プロポリスや化粧品、健康食品の分野にも参入。岡山の郡部発の全国ブランドとして、地元でも知られた存在だ。

ミツバチ(山田養蜂場Facebookより)
創業者の代から付き合いのある近くの養蜂業者の男性はこう振り返る。
「政雄さんのころは、その辺の養蜂場と変わらない小さい養蜂場で、決まった数を店舗に卸したりするぐらいだった。でも人柄が良くて、養蜂の器具を一緒に買いに行ってくれたりしてました。山田養蜂場が今のように大きくなったのは英生さんのおかげですね。
北九州の大学を卒業してお父さんの仕事を助けるために帰ってきて、これからはネットの時代だっていうことで、通販でハチミツやプロポリスを売り始めて大当たりしたんです。職人気質の父親に比べて、英生さんはビジネスマンだったわけですね。当時は養蜂場なんて年寄りばかりでしたが、時代にあった経営をしてすごいって評判になりました」

化粧品の販売にも力を入れ、急成長を遂げた(山田養蜂場Facebookより)
一方で養蜂業者の枠を飛び越えた「活躍」に違和感を覚える同業者もいる。
「隣の津山市と合併せずに済んだのもあの会社のお陰というぐらい、鏡野町の経済を支えているのは事実だろうけど、地元ではあまりいい評判は聞かないですね。養蜂場なのにハチミツを買いに行く人は少ないんですよ。以前、山田養蜂場の従業員の方とお話しする機会があったけど、ハッキリと『うちはハチミツではなく健康食品と化粧品の会社です』って言ってたくらいで、もうハチミツへのこだわりがあまりないんです。営業担当は電話営業のノルマもあるとも聞いてるしね。先代の意志を継いでればもっといいハチミツを作れたのにと悔やんでいる方も多いですよ」(別の養蜂業者の女性)
屋上には星を見るために大型の天体望遠鏡を設置
それでも地元における「山田家」の威光はかなりのものがある。その中で「三代目」たる満生容疑者は影が薄いものの、「艶福(多くの女性に慕われる)」の血筋を引いているという向きもある。
「山田家は地元では知らない人はいないくらいの名家です。もう90歳を超えている満生のおばあちゃんは、外出時には必ずお供の人が付いているし、英生さんのお宅は大きな三階建で、屋上には星を見るためのスペースとして大型の天体望遠鏡を設置しているくらいですよ。家風呂には鏡野温泉のお湯も引いていて、入らせてもらった地元民もいるくらいです。夏の盆終わりには『山田養蜂場納涼祭』と銘打った祭を毎年やっていて、花火まで打ち上げるんですよ。雲の上のような存在ですし、男性は皆さんとてもおモテになりますね」(近隣住民)
そんな名家にあって満生容疑者は、地元の集まりにはめったに顔を見せなかったという。
「去年の末にミツバチを育てる場所を決めて県に申請する割り当て会議があって、そこに満生さんが挨拶回りに来てたんです。普段、その会議は従業員しか参加しないから、えらい人が来るのは珍しかったし、山田養蜂場のせがれですからみんな注目してましたよ。全員と名刺交換もしていて、意外としっかりしてると思ったんですけどね」(前出・養蜂業者の男性)

若い頃の満生容疑者(本人Facebookより)
だが、仕事以上に目立っていたのは、高級外車を乗り回す姿で、その様子は“ボンボン”そのものだったようだ。
「やっぱり家柄もあって、子どものころから友人だけじゃなく大人たちからもチヤホヤされて育ってきたし、お金もたくさんあったから、道を踏み外しやすい環境だったんでしょうね。今でこそ隣街のマンションで奥さんと暮らしてるそうですけど、実家にいるときはガレージに高級車を5台くらい駐めていて、岡山で走ってたら目立つような外車でドライブしてましたから、おぼっちゃん感はありましたね」(実家の近所に住む男性)
今回の報道に古くから“付き合い”がある近隣住人は肩を落とした。
「山田さんとこは子供が4人いて、山田養蜂場で長男と次男の満生さんが仕事を手伝ってるんですよ。4人中2人もお父さんを支えるなんてえらいなあと思ってたのに、こんなみっともない事件を起こしてしまって残念です。お父さんもこれから大変でしょうけど、兄さんも満生さんと同じく取締役をしてるはずだから弟の尻拭いに苦労しそうですね」
満生容疑者は取り調べに対し「自身の性欲を満たすためにやった」「女性を支援するためでもあった」とも供述しているという。

警視庁
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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