#1 戦国の世きってのダークヒーロー 
#3 仇と、自分の妻の父を討つ!?
#4 遂に始まる、宇喜多直家の血塗られた歴史

戦国三大梟雄とは

梟(ふくろう)という鳥は、気性が荒く、他の鳥に敬遠されるほど獰猛だと言われている。また中国の迷信では、梟が親鳥をも食べると考えられていたため、古来から悪鳥・不孝の鳥とされてきた。

その不名誉な名を冠された戦国三大梟雄とは、松永久秀(まつながひさひで)、斎藤道三(さいとうどうさん)、そしてこの宇喜多直家(うきたなおいえ)の3人だと言われている。

中でも戦国時代、備前(現在の岡山県)に栄えた宇喜多直家は、暗殺を多用したり、主君として使えた浦上宗景(うらがみむねかげ)を備前から追放するなど、梟雄として一際目立つ存在だったといえる。

そんな一般的な認知度ではメジャーとはいえない、宇喜多直家の生涯を漫画家、重野なおきが描いた『殺っちゃえ!! 宇喜多さん』が現在人気だ。

担当編集者に、重野さんが宇喜多直家を主人公に選んだ経緯を聞いてみた。

――これまで黒田官兵衛や真田幸村、明智光秀などを描かれてきた重野なおき先生ですが、宇喜多直家は一般的には認知度が低く、予備知識のない武将だと思います。漫画の題材として主人公に据えることは、連載を立ち上げる上でネックになりませんでしたか?

予備知識があると入りやすさ・売りやすさにメリットがありますが、予備知識がない=未知の刺激でもあると思うんです。手垢のついていないネタの宝庫と言いますか。

重野先生の戦国歴史4コマ作品において、メジャー武将が剛速球のストレートだとしたら本作は見たことのない変化球…そんな存在にできないかなと思って連載が始まりました。


次のページからは、将来備前から追放してしまう主君・浦上宗景に仕える青年時代のシーンを紹介する。