Googleクチコミの削除までに3年も…
スマートフォンを持つ多くの人が使用しているアプリ「Googleマップ」。特にそのレビュー機能が重宝されている。
飲食店だけに限らず、病院、公共の施設、観光名所にまで、誰でも簡単にレビューを投稿・閲覧することができるため、今ではこのレビューが、お店選びや目的地を決める大きな要因となっている。
当たり前だが、いいレビューが多ければそれだけ来る人は増えるし、悪いレビューが多ければ足が遠のいてしまう。
「食べログ」と同じように、多くの飲食店にとってこのレビューが死活問題になっているが、実は飲食店以上に困っているのが病院だという。
株式会社ファンクション・ティの代表で、歯科医師の田尾耕太郎氏に話を聞くと、Googleマップのクチコミに悩まされる歯科医院たちの実情が見えてきた。
「まずGoogleクチコミの問題点は、誰でも自由に書き込むことができる点です。虚偽の内容や、店舗のイメージを貶めるような内容も投稿可能。店舗にとって都合が悪いクチコミであったとしても、法に抵触する場合や、Googleのポリシー違反の場合を除いては、削除ができません。
さらに、弁護士にクチコミ投稿者の開示・削除依頼をする場合、40〜200万円ほどかかるケースが多いうえ、確実に削除できるわけではないのです。開示請求が通ったとしても、クチコミ削除にかかった費用を相手方に請求できないケースもあります」(田尾氏、以下同)
今回の尼崎市の眼科医院の件でも、クチコミの削除と賠償金が判決で命じられたのだが、投稿者の特定をはじめてから判決まで実に3年も要したという。
また、たとえ賠償金の支払命令が出たとしても、その後の回収ができないというケースもあるため、「その点も歯科医院側にとってのリスクだと思います」と田尾氏は指摘する。