沖縄の自然を生かしたアトラクションは「満足いく」が…
では、県外の観光客からみた「ジャングリア沖縄」はどうだったのか。
オープン日に来園したという都内在住の40代の主婦は、「できたばっかりでキレイなのと、アトラクションはすごく良かった!」と声を弾ませる。
「沖縄らしい緑の生い茂った山道を走っていると突如として現れる切り開かれた大空間は圧巻。興奮しながらゲートに向かいました」
テーマパークの周囲には、世界自然遺産にも登録された「やんばる」の自然が広がる。森岡氏が「興奮、贅沢、解放感」を詰め込んだ「沖縄旅行を最高にするテーマパーク」と語った通りの期待感をこの主婦にもたらしたようだ。
普段からテーマパークにも行き慣れているというこの女性にとっても、沖縄の自然を生かしたアトラクションや趣向を凝らしたショーはどれも「満足いく」ものだったという。
とはいえこの主婦にも「気になる点はあった」という。
「すでに行列ができていたせいか、10時のオープンを45分前倒ししてくれたのは良かったんだけど、整理券はオープン15分くらいで無くなっちゃって。
悪天候のせいもあって、グライダー、バンジー、橋渡りといった、自然体験型のアトラクションはできませんでしたね。結局、パークの半分はおあずけ。シンボルっぽい気球も風の影響で運休してがっかりしました」
この主婦のように、楽しみにしていたアトラクションができないという事態に怒り出す来園者も少なくなかったといい、主婦は「『なんでできないんだ』とスタッフに詰め寄る人も結構見かけた」と振り返る。
「仕方ないので、残り半分のコーナーで時間を潰そうとしたんですが、ディズニーほどにはアトラクションが無いので、少ないアトラクションに人が集中して200分待ちとかの状態でした」
大自然に囲まれた開放的な園内も、悪天候下ではそのロケーションゆえの“欠点”を浮き彫りにするばかりだったという。さらにこの主婦が不満を漏らしたのは「スタッフのオペレーション不全」についてだ。
「天候が悪くなったので雨宿りしたかったけど、軒下が少なくてみんなエントランスのほうまで戻ってしまっていた。座って休めるレストランも少ないので、みんな階段に直座り。お昼ごろには、雨が止むのを待てなくて帰る人も多かった。
午後はプレミアムパスを使ってバギーと恐竜のアトラクションを楽しめました。ただ、プレミアムパスもその時間にならないと入れてくれなくて、スタッフの対応もマニュアル通り過ぎだろって思っちゃいましたね」
アトラクションへの期待感を高めすぎて肩すかしを食らった県内在住者と、オペレーション不全に不満を覚えた県外からの観光客。沖縄ならではのテーマパークとして人気を定着させていくために克服すべき課題は少なくなさそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班