送金は電子マネー・プリペイドカード・地下銀行を使用

情報屋からの情報は、アングラマネーゆえにテレアポや資金確認の必要はないという。この情報屋が暴力団や半グレ組織に属しているのかどうか、幹部に尋ねてみたが答えはなかった。
調査部隊は現場の下見、実行から逃走までのルートなどを確認、指示役はケースによっては調査部隊から実行部隊にまで関わることがあるらしい。

犯行後はすぐに盗んだ金品を換金し分配、海外に拠点があればそこにも運ぶ。換金方法は金品と現金で異なるという。
幹部は「タタキで得た現金は現場報酬が約40%、中間管理報酬が20%。それらを引いた残り40%を日本サイドで仮装通貨やアップルカードなどの電子マネーに換金する」と話す。

「アップルカードなどのプリペイドカードや電子マネーは個人情報登録の必要はなく、無記名のため足がつきにくい。いくつかの店で大量に購入し、フィリピンなどに持ち込む。フィリピンではそのプリペイドカードや仮想通貨を現金に換金。換金率は83%だ。プリペイドカードは使用されていても、フィリピンではどれくらいの金額がチャージされているか、調べることができる機器があると聞いている」(幹部)

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被害にあった「てんとう虫」

現金を送金し現地の口座にプールしておくなら、現地の人間の協力が必要だ。

「向こうに長く住んでいる人物の協力がいる。彼らは銀行口座を持っているからな。収容されている者の場合、愛人や彼女など、差し入れや携帯で通話する相手はすぐにバレるから、警察官や刑務官の類や職員を巻き込んでいる可能性がある」

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大量の現金は様々な手口で換金される

送金するには地下銀行という手段もある。違法だが為替の手数料が安く、送金してから現地で現金が受け取れるまでのタイムラグが少ない。

「フィリピンクラブやサリサリストアとよばれる小売店は、地下銀行を兼ねている所が多く、フィリピン人の女の子などがよく使っていた。今はネットで送金できる海外送金サービスを使うのが主流。これを使うと“ドアツードア”で5分。つまり日本から送金し、現地で金を受け取るまでの時間がたったの5分だ。送金に必要なのは電話番号と現地の住所と相手の名前だけ。フィリピンだろうが、ウクライナだろうが5分だ。ただし、細かな金は送金できるが、多額の金は送れない」(幹部)