仮に文字数増になっても
一定の“Twitterらしさ”は残る?

ほかにも、ツリー機能の利用が減るとはいえ、長文投稿が増えればけっきょくは“TLが長文で埋め尽くされる”のではないかと危惧する声もあるが……。

「それでもTLが長文で埋まるような事態にはならないと思います。というのも、イーロン・マスクという人はビッグマウスですが、ユーザーが求めていることを的確に見抜くカリスマでもあるので、Twitterらしさの象徴であった“少ない文字数”の空気感を完全に消し去ることはしないと考えられるからです。

具体的に言いますと、長文を最初から全文表示するのではなく、デフォルトでは従来ぐらいの短文のみを表示する仕様にして、“続きを読む”的なワンクリックをさせてから全文表示をするという設計にするのではと思います」

坂本氏は、時代とともに変化してきたTwitterへの需要が、今回の改革案を呼び込んだ節もあると分析する。

「SNSは今や、本業は別にあるのにSNS上では数十万人のフォロワーを持つエンターテイナーでもある、といったような、“二つの顔を持つ一般人ユーザー”が爆増した感があります。
そうした人たちにとって、文字数制限をあまり気にせず情報を発信できるというのは、得るものはあれど失うものは少ない改革で、デメリットらしいデメリットはないと私は思います」

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だが、そもそもこの改革案が、まだ実現すると確定しているわけではない。

「昨年12月11日、イーロン・マスクはTwitter上でとあるユーザーから『Twitterの文字数が280字から4000字に増えるのは本当か?』と質問され『Yes』と回答していました。しかしその10日後である12月21日に彼はCEO辞任を表明しているので、改革が実行されるのかどうか、わからなくなってきましたね」

イーロン・マスクがCEOを辞任するのであれば、後任者が彼の意向や改革案を引き継ぐのかどうかが今後の焦点となりそうだ。

取材・文/TND幽介/A4studio