室温が20℃以下にならないようにする

低体温の予防で、大切なのが環境づくりです。屋内で低体温にならないようにするためには、室温が20℃以下にならないように気を配りましょう。

特に高齢者は、若い世代に比べて筋肉量が少ないため、熱となるエネルギーを十分生み出せないので、室内でもしっかりと防寒対策を。
暖房器具はもちろん、首元や足首が冷えないように、ネックウォーマーや暑手の靴下を活用したり、汗をかいても冷えないように吸湿速乾性のあるインナーを身につけたりするなど工夫しましょう。寝るときも湯たんぽなどを活用して、温かくして布団に入るように。

祖父母や高齢の親と離れて住んでいる場合は、家の構造によって寒くなる場所のチェックや暖房器具の設置に気を配るようにしてください。

毎年1000人以上の死者数は熱中症レベル。まさかの屋内での凍死を招く“低体温症”を防ぐには_2
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食事ももちろん大切です。食べることで体の熱になるので、体を温める食材やメニューを積極的に摂るようにしましょう。
よくアルコール(お酒)で体を温める人がいます。確かにお酒を飲んだ後は一時的に血管が拡張し体温が上がりますが、同時に熱を放出しやすくするので、逆に体を冷えやすくすることに。
飲んだ後、体が温かいからといって薄着で寝落ちしたり、路上で寝たりしてしまうと低体温になるので、体が冷えないように防寒対策をしましょう。

また、運動して体を動かせば、体温が上がり、血行もよくなります。
屋内でもできるスクワットやストレッチなどがおすすめです。

これからまだまだ寒い時期が続くので、屋内でもしっかり防寒対策して低体温にならないように気をつけて過ごしましょう。

取材/百田なつき

『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74』
(ダイヤモンド社)
著者 森 勇磨
毎年1000人以上の死者数は熱中症レベル。まさかの屋内での凍死を招く“低体温症”を防ぐには_3
2021年9月29日
1,650円(税込)
328ページ
ISBN:4478113459
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