中学生時代は長髪でサッカーがうまくアイドル的存在
かつては「飯能のビバリーヒルズ」ともほめそやされた、美杉台ニュータウン。自分が育った住宅団地を恐怖のドン底に突き落とした斎藤容疑者は、どういう人物なのだろう。
近くに住む60代の女性はこう語る。
「私の娘が1学年下なのでよく覚えていますよ。このニュータウンは平成元年(1989年)に一斉に建ち始めたので、その頃に引っ越しされてきているはずです。昔はご両親と、2歳年上のお姉さんと住んでました。
小中学生のころはサッカーが得意で、長髪で、学校でもモテる方だったみたいです。最後にお見かけしたのは半年前くらいですかね。頭髪や容姿に昔の面影は感じられなかった。そのときは、何年も前から放置されていた庭の手入れを、業者に頼んでいたみたいです。
ご両親は10年前に離婚し、お母さんが残りました。その後お母さんも出て行ってしまい、お姉さんも5年以上前にどこかに転居された。お姉さんも綺麗な方で、特に不満があるような家庭には見えませんでしたし、本人も小中学校時代は、明るく友人と登下校するなど活発な男の子って感じでした。娘にも連絡したんですけど、昔の印象があるからか、驚いてました」
当時の活発さが陰を潜めた斎藤容疑者は、この数年はほとんど周囲の人の目に触れることもなく、引きこもりがちだったようだ。60代の宅配業者の女性の印象もこんな具合だ。
「10年くらいこの地域で仕事をしていますが、一度も配達したことがありません。庭も荒れ放題で表札もないから空き家だと思ってたんです」
存在感もまったくなかった斎藤容疑者が起こした凶行は極めて衝撃的で、冷徹かつ陰惨さに満ちていた。
「朝の7時10分ごろに、複数の女性の『ギャー』という悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえてきて、怖くて外に出られませんでした。
森田さんのご主人は日本語はほとんどできないけど、あいさつはきちんとする穏やかな方でした。奥さんの泉さんは自治会の集まりや清掃奉仕にも参加されていて、娘さんも先週スーパーで見かけたのでそのころからこちらに来られていたんだと思います。とても仲の良いご家族でしたよ」(森田さん宅の近くに住む60代の女性)