ところでベトナムは日本ほど読書が盛んではないようだ。ベトナム文化・スポーツ・観光省が2013年に行った調査によれば、ひとりあたりの年間読書量はわずか0.8冊(日本は20冊)。この数字はスマホの普及や、娯楽の多様化によってどんどん減っていくだろう。それは日本も同じだ。カンさんのようなタイプは少数派であるのかもしれない。

それでも、異国で触れる母国の本には、格別な思いがあるだろう。束の間、寂しさや苦労を忘れさせてくれるはずだ。そしてカンさんはこの書店を交流の場ともしようと、読み終わった本を置いていくコーナーも設置している。ここに古本を寄付し、また自分の好きな古本を持っていく。国を問わず、本好きはこういう取り組みが大好きだ。

ベトナムの読書文化を異国で広げていく「Macaw Bookstore」。日本人も「ベトナム語を学んでいたり、ベトナムの文化が好きな人が来てくれたりします」とのことなので、興味ある方はのぞいてみてはどうだろうか。

埼玉にある謎の「ベトナム語書店」が人気なワケ_g

Macaw Bookstore
https://macawshop.com/

(写真撮影/室橋裕和)