ポール・ポグバ不在の今、唯一のリーダーは…

――今回のチームを束ねるリーダーは誰なのでしょうか?

ロシアW杯ではポグバがリーダーで、ドレッシングルームにおいてもチームを鼓舞する重要な存在でしたが、その代わりになれるような選手は今回のメンバーにはいません。

GKのウーゴ・ロリス(トッテナム)はとても寡黙な男ですが、経験があり、彼が話す時にはみんなが耳を傾けます。とはいえ、強烈なリーダーシップを発揮するわけではない。エムバペも所属クラブでの言動が度々話題になりますし、昨年のEUROでも彼の態度によってチーム内で分裂が起きたので、最初は大人しくするでしょう。ゴールを量産すれば、調子に乗ってしまうかもしれませんが。

唯一、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)がリーダーになれそうにも見えますが、彼の性格は私がいたトルシエジャパンでいえば森島寛晃のようなタイプで、ムードメーカーであり、ドンと構えるリーダーではないですね。 今大会、前線からかなり献身的に守備に走り、かつ攻撃面でも質の高いプレーを見せています。
「フランス代表のここまでのMVP」と評されるパフォーマンスにはチームメートも脱帽しており、グリーズマンを“チームリーダー”だと見なす意見もありますが、彼としては、あくまでも“影の存在”として貢献したいはずです。

“リーダー不在”がいい方向に働き、みんなが謙虚になって一つにまとまれるのか。チームに問題が起きた時に、誰もチームを引っ張れないのか。どちらに転ぶかは分かりません。強いて言えば、ロシアW杯を制し、その後もチームを率いている監督のデシャンが唯一のリーダーでしょう。