カタールW杯後の監督はあのレジェンド!

【W杯】フローラン・ダバディ氏が語る前回王者フランス代表 「フランス国内ではベスト16までは楽勝ムード」_2
フローラン・ダバディ

――デシャン監督は、あまりリスクを冒さない戦術を好む印象ですが、そのスタイルは今大会も変わりませんか?

デシャンは常にデシャンで、きっと“一生変わらない”(笑)。選手時代のプレースタイルと監督としての戦術、そのどちらにおいても、彼の“コンサバティブで守備的な哲学”はずっと同じです。

戦術的には、最終ラインからの丁寧なビルドアップよりも、「ロングボールを1トップに当てて、そのこぼれ球を拾う」というような、単純な攻め方を好みます。4バック化やポグバの不在を考えると、戦術の単純化は今回さらに進むのではないでしょうか。

とはいえ、今いる選手も物凄い力を発揮するポテンシャルを秘めていますし、エムバペ1人だけでも脅威になれるので、そう簡単に負けるチームではない。2戦目のデンマーク戦が、今大会のフランス代表の強さを測るバロメーターになると思います。

――デシャン監督の人柄や戦術は、フランス国内では支持されているのでしょうか?

支持率でいえば、賛成46%・反対54%くらいの五分五分です。ただ、守備的な戦術だけでなく、若手の抜擢に消極的な点など、選手選考においてもかなり保守的な監督なので、サッカー関係者ではないサポーターの間では特に支持率が低いですね。

しかしながらデシャンの契約は今年限りで、「その後の監督はジダン」と“ほぼ確定的に”フランスメディアでは報道されています。そしてジダンになれば、フランス代表のアイデンティティも今とは180度変わってくるはずです。

1978年から1998年までのフランス代表は、ミシェル・プラティニの影響が色濃い、“シャンパンサッカー”と呼ばれる、攻撃的な魅せるサッカーでした。1998年以降、デシャン式の結果至上主義の“リアリズムなサッカー”に変わり、現在に至るまでそれが続いています。

ジダンが監督になれば、プラティニ時代のような創造性溢れる攻撃サッカーが復活するでしょうから、それはそれで個人的には楽しみです。

―“シャンパンサッカー”と“リアリズムなサッカー”、どちらがフランス代表の本来の姿なのですか?

サッカー界やサポーター間でも、その意見は二分されています。W杯を2回優勝したデシャン式を評価している人もいれば、「1982年と1986年のチームの方が、サッカーの質や“スペクタクルさ”ではW杯優勝チームよりも優れていた」と主張する人も多い。

フランスはラテンの国ですが、人種的にはケルト人もゲルマン人もいて、多様な民族が混ざり合っている国なので、そういうディベートは尽きませんね。ジダンはそういう部分を絶妙なバランスで調整できそうな人物なので、そこに期待している人も多いです。

取材・文/佐藤麻水