船便ではるばる届いた圧巻のチーズたち
フロアに入るとすぐ右手に件のチーズ専用セラーがあり、ハードからソフトからさまざまなチーズが横たわっている。大きなセラーはフランスの名誉熟成師であるエルベ・モンス氏がプロデュースしたもので、吉田シェフいわく「恐らく、これは日本でうちしかない」。
船便で何ヶ月もかけて日本にやってきた、さまざまな大きさや形状のチーズがずらりと並ぶ様は圧巻だが、最上段の左にある数体のフィギアも目を引く。
『スター・ウォーズ』のダースベイダーで、これも吉田シェフのお手製だという。
フロアは吉田シェフのパートナーとソムリエの和田さんが切り盛りしている。鎌倉移転から合流した和田さんは以前、銀座のレストランで吉田シェフと働いていた時期があり、その時に吉田シェフの料理の世界観に惚れ込んでしまったそうだ。
スブリデオではどんなワインが中心なのか尋ねてみると、チーズと相性のいい、酵母が残っているようなナチュラル・ワインが多いとのこと。
ありそうでない、スプリデオの魅力とは
さて、『鎌倉だから、おいしい。』などで、さんざん化粧室にはそのお店の個性や思想が溢れでると書いてきたけれど、スブリデオの化粧室には驚いた。大きなフィロキセラがいるのだ。
フィロキセラとは別名・葡萄根油虫で葡萄の木を狙う虫。ワインの天敵である。かつてヨーロッパではこの被害で多くのワイナリーが滅ぼされたとも聞いた。ここの壁には、ワインのキャップシールなどで作られたフィロキセラが飾られている。吉田シェフの知り合いの作品だとか。これは一見の価値あり。
表通りすぎず隠れ家過ぎず、カジュアル過ぎずドレッシー過ぎず、高過ぎず安過ぎず、でも、この店にしかない個性を放っている。鎌倉では貴重な「個室」のあるレストランということを付け加えておこう。
写真・文/甘糟りり子
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