秋の車中泊5泊6日の旅。5日目は長野県の絶景を求めて高原に向かった

前置きが長くなってしまったが、そんな僕の秋の車中泊5泊6日の旅は、終盤戦の第5日目を迎えている。

DAY.5(5日目)

長野県安曇野市の道の駅アルプス安曇野ほりがねの里の駐車場にとめた愛車、スズキエブリイの中で目覚めた朝。
一晩中激しく車の屋根を叩き続けた雨は小降りになり、空は一面グレーではあるものの、薄い雲を通してところどころ太陽の光が透けている。

学生の頃よく行った安曇野の観光名所、大王わさび農場を訪ねる。
日本一のわさび畑を育む澄んだ水の流れと、水車が美しい。
ここは、黒澤明監督による1990年公開の映画『夢』のロケ地にもなったところだ。
強烈な印象を持ってその映画を記憶している僕は、川の向こうの道を、可愛い帽子をかぶった笠智衆が踊り歩く情景を夢想したりする。

道の駅での車中泊って、結局OKなの? NGなの? 国土交通省に電凸して聞いてみた_2
安曇野大王わさび農場の水車

天気はまだ不安定で、晴れ間が見えたと思ったら突然土砂降りになったり。
雨宿りしながら食べたわさびソフトクリームは、昔と変わらぬ美味だった。

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絶品のわさびソフトクリーム

天気予報ではこれから晴れ間が広がり、気温もどんどん上昇するということだったので、長野の雄大な自然の景観を楽しもうと、美ヶ原高原を目指すことにした。
松本城を横目に見ながら、日差しが戻ってきた松本市街を抜けて山道に入る。

しかし山を登っていくにつれて再び空が暗転し、雨も降り出した。
しかも徐々に濃い霧が出てきて、素晴らしい眺望のはずのビーナスラインは、ほんの少し先も見えぬ状況に。
それでも進んでいけばいつか晴れるだろうと甘い期待をしていたのだが、目的地の美ヶ原高原美術館に着いても、特濃の霧に包まれたまま。
そして時折激しい雨が降り、嵐のような突風まで吹き荒ぶ。

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美ヶ原高原美術館の野外展示場はこんな感じ

もう少し待てばなんとか……と思ってお土産屋さんで小一時間ほど粘ったのだが、天気は一向に回復せず、眺望もへったくれもあったものではないので、あきらめて先に進むことにした。
あーあ、高原美術館を観るのを楽しみにしていたのに。
背後では、正午を知らせるアモーレの鐘が、虚しく鳴り響いていた。

ビーナスラインを霧ヶ峰までくだってきても、めちゃくちゃ濃い霧はまったく晴れない。
その名の通りだからと自分を納得させようと思ったのだが、こんなにも激しい濃霧ではまったくなす術がない。

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霧ヶ峰はこんな感じ。もう、何が何だか

仕方がないので霧ヶ峰のロッヂで昼食のざるそばなどすすり、美ヶ原〜霧ヶ峰計画はなかったものとあきらめて下山することにした。

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あきらめのざるそば

そして麓の街である諏訪市を抜けて隣の茅野市まで走ってくると、ウソのように青空が広がり、気温も半袖で過ごせるほど上昇してきた。
いま通ってきた美ヶ原方面を振り返ってみると、山の上方は分厚い雲の中に入っているように見える。
あれが特濃の霧の正体か。山の天気は難しいものだ。