NMB48や吉本坂46で活動した高野祐衣さんが今年7月にオープンした「ゆい酒店」は、浅草エリアの中でも大通りから路地に入った静かな一角にある。繁華街ではない場所を選んだのは、「一人ひとりに丁寧な接客を一番大切にしたかった」からだという。
現在はスタッフとふたりで店を切り盛りしている。接客をはじめ、店内の掃除、在庫の発注、商品を説明するポップの作成、商品の梱包・発送などなど、アイドル時代とは大きく異なる仕事を幅広くこなしている。閉店後には周辺の赤提灯に出かけるのが楽しみなんだとか。
店の定休日などに地方の酒蔵へ出かけることもしばしば。高野さんは「実際にどんなふうに日本酒が造られているのかを自分の目で見て、経営者や杜氏の方といろんな話をして勉強させてもらっています。この経験があってこそ、みんなに飲んでほしい!と自信を持っておすすめできます」と話す。店では、特に女性や若手の杜氏の蔵を中心にセレクトした銘柄に力を入れている。
「日本酒を通じて感動を提供できる場所をつくりたい」と意気込む高野さんに、おすすめの日本酒を聞いていこう。
イメージを覆す、新しいおいしさ
VEGA
(新潟県・阿部酒造、¥2,200 ※「ゆい酒店」の販売価格、以下同)
1804年から続く新潟県柏崎市の老舗・阿部酒造。代表的な銘柄「あべ」の透明感ある飲み味とはひと味違うのが「VEGA(ベガ)」だ。教科書通りの酒造りにとらわれない、自由なレシピによる阿部酒造の「★(スター)シリーズ」の一本。
「ワインボトルのような外観だけでなく、味もいい意味で日本酒のイメージを裏切ってくれます。ひと口飲めば日本酒の幅の広さを実感できるはず。アルコール度数12%で、甘酸っぱくてジューシー。サラッとした飲み心地なので、普段はサワーなどの甘いお酒を飲んでいる人にも日本酒っておいしい!と感じてもらえる一本だと思います。
料理と合わせるなら、オリーブオイルを使った洋食。面倒なら、市販のオリーブオイル仕立てのせんべいでも。同じ『★シリーズ』で、爽やかな酸味が広がる『REGULUS(レグルス)』と飲み比べてみてほしいです」(高野さん、以下同)