「梅毒」の国内感染者数は過去最多

性感染症、たとえばクラミジアや淋病といった病気を防ぐ効果も非常に高く、98%ほどといわれています。

ヘルペスや感染性の性器のイボ(尖圭コンジローマ。ヒトパピローマウイルス〔HPV〕により起こる)など、皮膚から皮膚にうつる感染症については、もう少し効果は落ちます。コンドームがヘルペス感染のリスクを減らせるのは、男性から女性の場合は96%、女性から男性の場合は65%とされます。(参考「Seventeen Magazine」ウェブサイト)

性感染症は多くの場合、患者当人も周囲の関係者も、恥ずかしさや決まりの悪さから、感染したことを周りに言うことはありません。そのため、自分とは関係のない遠い世界の病気のように感じている人が多いと思います。

しかし、厚生労働省の調査によると、実際には2019年に、クラミジア2万7221人、性器ヘルペス9413人、尖圭コンジローマ6263人、淋菌感染症8205人、梅毒6642人と、合計5万7744人の性感染症患者がいることが分かっています。

中でも深刻なのが、梅毒の広がりです。10年前と比べると、患者数は約10倍に増えており、2021年12月現在で、国内感染者数が過去最多となっています。全国的に増加しており、特に東京や大阪、その周辺部で増加が加速しています。

実際に、性感染症に罹患した患者さんの治療にあたることがありますが、「まさか自分がこんなことになるとは思っていなかった」「心当たりがまったくないんです」と口にする方が珍しくありません。