「病気の人をテレビに出すな」で放送に規制
ーーまず最初に「小人症」とは、どういうものなのでしょうか?
原因はさまざまあるのですが、僕は生まれつきの軟骨の病気で身長が伸びません。
ーーそもそも「小人」という表現は差別用語なのですか。
僕は一切、差別とは思っていません。一部の方々が差別だと言っているだけ。でも、テレビ局では使ってはいけないらしいです。いわゆる「コンプライアンス」でしょうか。この取材では使っていただいて、全然問題ないです。
ーープリティ太田さんはこびとレスラーとして活躍されているそうですが、改めてこびとプロレスについて教えていただいてもよろしいですか。
海外のこびとプロレスは、いわゆる一般のレスラーがやっているプロレスで、身長の低い人にしかできない技や速さを見せていくような試合が多いです。でも日本は少し違っていて、お笑い要素が強い。一般のレスラーができないような技で笑いを取るのが見せ場なんです。
ーー昔はゴールデンタイムのテレビ番組でも放送されていたんですよね。
僕は世代ではないので実際に見ていたわけではないのですが、プロレス中継の中で「こびとプロレス」として放送していたらしいです。あと、『8時だョ!全員集合』にこびとレスラーが出演したことで話題になったんですよ。僕も「言われてみれば、出ていたな」と思ったので少し覚えています。
ーー当時はどのような空気だったのでしょう。
当時はみんな、純粋に見て、笑っていたんだと思いますよ。普通の人ができないことをやっているのが面白かったんでしょう。それがいつの間にか偏見で、笑ってはいけないとなってしまった。
ーーいつ頃からこびとプロレスは縮小してしまったのですか。
1980年代ぐらいになってからですね。僕の聞いた話では、1通の投稿から規制がかかったと。「小人症の人、病気の人をテレビに出して笑ってもいいんですか」ってなって。
ーーその人は「こびとプロレスはよくない」と思っていたんでしょうか。
偽善で言っているだけの偽善者、と僕は思ってます。誰がはじめに言ったのか、その正体さえ、いまだにわからないんです。