まず、命を預かる覚悟を持って

保護猫の里親になるのは、ペットショップで購入するのとかなりの違いがある。実際に、風ちゃん雷ちゃんの里親になった池崎さんにレクチャーしてもらおう。

――いま現在、猫を飼いたいと思っていて、その選択肢に保護猫がある人はどうしたらいいですか?

まず、保護猫にしてもペットショップにしても、猫との暮らしがどういったものなのか、知識を得てほしいです。その上で自分が小さな命を預かるという覚悟を持ってほしい。
というのも、保護猫という存在がいるのは、飼えなくなって手放す人がいるからなんですね。または、かわいいからかわいそうだからと、どんどん増やして手に負えなくなってしまうか。

――衝動的に迎えるのはよくない。

そういう意味でも、保護猫はオススメです。里親になるには、いくつものハードルがありますから。「猫の森」の場合は「家族全員が猫の飼育に同意していること」「猫を飼育できる環境にあること」「当団体の家庭訪問を拒否しないこと」「不妊手術を行っていただけること」などなど、たくさんの応募条件があります。気に入ったコの性格や状態をしっかり説明してくれるし、飼い方のアドバイスもしてくれる。トライアルという制度があるのもいいですよね。

――トライアル?

実際にそのコと暮らしてみて、ずっと一緒にやっていけるかを確かめる期間のことです。「猫の森」は1ヶ月間で、その間に「自分には無理」と感じたら里親になるのを辞退することができるんです。逆に、こちらに飼い主としての資格がないと判断されることもあるそうです。
僕の場合は初めての猫でしたけど、先住猫がいるお宅だったら、猫同士の相性もあるし、非常にいい制度だと思います。だって、無理したってみんなハッピーに暮らせないから。あと、保護猫だからタダだと思わないでほしいです。保護猫だからこそ寄生虫や病気のチェック、治療にけっこうな費用がかかっていますし、ゴハン代だってかかっています。里親になったら、その一部を負担することになります。

1匹でも不幸な猫をなくしたい。サンシャイン池崎のジャスティスな保護猫との暮らし。_7

――そういうプロセスを経て、池崎さんのジャスティスなキャットライフがあるわけですね。

雷ちゃんがしょっちゅう吐くとか(健康な猫でもさまざな理由で吐くことが多い)、トイレの猫砂を散らかすとか、服が毛だらけとかいろいろありますけど(笑)、いてくれるだけで空前絶後の幸せを感じます!
猫のことをSNSとかで発信するようになって、芸人以外の部分からファンになってくださる方がいたり、「池崎さんを見て、私もボランティアを始めました」とか「保護猫の里親になりました」とかのリアクションがあったり、僕がこういうことをやって、1匹でも不幸な猫が減ったら、これほど嬉しいことはないですね。

1匹でも不幸な猫をなくしたい。サンシャイン池崎のジャスティスな保護猫との暮らし。_8

撮影/田中智久 取材・文/工藤菊香