それでもテレビは楽しい!
――アナウンサーとして、楽しいと思える瞬間というのはどういうときでしょう?
伊藤 現場で一体感を感じられたときですね。ハプニングが起きた、報道・情報で大きなニュースが飛び込んできた……そういうときには、アドリブで対応しなきゃいけない場面というのがあって。それを乗り越えるには、カメラマン、スタッフそして僕らが一つにならなきゃいけない。そのときの緊張感と乗り越えたときに感じる、なんとも言えない、ゾクゾクした感じは何度味わっても楽しいです。
佐野 そこを繋いで、とか、10秒伸ばして、とかって振られたときかな。大変なんだけど、楽しい。さぁどうしようかと考えるのが、アナウンサーの醍醐味だし、そこがアナウンサーとして一番、面白いところだと思う。
ひとつ気の合う話をしようか。伊藤は街で声をかけられると嬉しいだろう? 俺は嬉しい。
伊藤 僕はスタートが、『めざましテレビ』で。視聴率では日テレの『ズームイン朝』には負けていたんだけど、それでも「昨日見てました」とか、「頑張ってください」とかちらほら声をかけていただけるようになりました。ただ街の反応は『とんねるずのみなさんのおかげでした』を担当するようになって、まるで変わったように思います。
佐野 視聴率が20%を超えると、いきなり世界が変わるもんね。
伊藤 みんなって言っちゃうと、大袈裟かもしれないけどそれくらいすごかった。かけていただく言葉も、「いつも見てます」になったし、声の熱量も全然違って。それは素直に嬉しかったですね。
佐野 いま視聴率が20%を超える番組は、フジだけじゃなくどの局にもなくて……。そういう意味じゃ、今の若い子は可哀想だよなぁ。
伊藤 そういうのも含めて、テレビ界を覆っている重苦しい空気を吹き飛ばしてくれるような人に来てほしいし、そういう発明ができる人に来てほしいですね。いつまでも、こんなおっさんたちがやっててもしょうがないと思うし、テレビを目指す人には、コンテンツを作るマインドで来てほしい。自力で“バズる”アナウンサーになれる楽しいステージは沢山ありますし、やりがいもありますから。
――最後に一つ、お伺いします。テレビはいまでも楽しいですか!?
佐野 楽しいです。めちゃめちゃ、楽しい! 入社して28年半ずっと楽しいです! これは間違いなく言えます。
伊藤 これからは配信などもどんどん増えると思いますが、我々がいう「テレビは楽しい」という言葉はすなわち「映像コンテンツ作り」が楽しいという意味ですから、「テレビ離れ」と言われる時代にあっても、やっぱりテレビは楽しいですよ。
佐野 本日、2度目の意見の一致だね。
伊藤 そりゃそうですよ。だってほら、僕はざっくりだし、佐野さんは――
佐野 緻密だからね(笑)。
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前編「若手時代は、アナウンサー採用じゃなくて夜勤採用だったのかなと思ってました(笑)」はこちら
中編「佐野アナと伊藤アナの仕事の流儀」はこちら
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取材・文/工藤晋 撮影/猪原悠