なぜ言われるがままに売春したのか?

ある女子少年院に「援デリ(不良グループの管理下で行う不法な売春)」をしていた女の子がいました。彼女の話が次です。

――なぜ不良に言われるままに売春をしたの?

他にすることなかったから。

――男たち(不良)に金を払ったのはなぜ?

言われたから。

――売春は嫌だった?

そうだけど、他にすることないし……。

――後悔してる?

わかんない。

この女の子は、父親から激しい虐待を受け、精神的な支配下に置かれ、中学卒業後は家計を助けるためと称してスナックで強制的に働かされていました。彼女は幼い頃から言葉で現実と向き合い、考える機会を奪われてきたので、半グレから売春をしろと言われて、深く思慮しないまま受け入れてしまったのです。

こうした子供たちに言葉を与えるには何をするべきなのでしょう。

拙著ではいろんな事例を紹介していますが、その1つが少年院で使用されている「感情カード」です。

カードには「こまっている」「イヤ」「つらい」など人の気持ちを示す言葉と、その表情が描かれています。少年院の子供たちの多くは、自分の内面と向き合う経験に乏しいです。そのため、随所でこうしたカードを使用して、今の自分の感情が何なのかを理解させる練習をしているのです。

みなさんは、こんな初歩的なところからはじめなければならないのかと驚かれるかもしれませんが、それだけ彼らの言葉が脆弱であるということなのです。

さらに少年院を出た子供たちの受け入れ施設でも国語力を上げる取り組みがなされています。福岡県に「そんとく塾」という、少年院や少年刑務所を出た人たちの学びの場があります。ここでは元国語科の教師が、「言葉のバブル」という授業を行っています。

こうした子供たちに言葉を与えるには何をするべきなのでしょう。

拙著ではいろんな事例を紹介していますが、その1つが少年院で使用されている「感情カード」です。

カードには「こまっている」「イヤ」「つらい」など人の気持ちを示す言葉と、その表情が描かれています。少年院の子供たちの多くは、自分の内面と向き合う経験に乏しいです。そのため、随所でこうしたカードを使用して、今の自分の感情が何なのかを理解させる練習をしているのです。

みなさんは、こんな初歩的なところからはじめなければならないのかと驚かれるかもしれませんが、それだけ彼らの言葉が脆弱であるということなのです。

さらに少年院を出た子供たちの受け入れ施設でも国語力を上げる取り組みがなされています。福岡県に「そんとく塾」という、少年院や少年刑務所を出た人たちの学びの場があります。ここでは元国語科の教師が、「言葉のバブル」という授業を行っています。