なぜ今、ビートルズinインド?
エミー賞を2度受賞し、300本以上のドラマやドキュメンタリー作品を手がけているカナダの監督/プロデューサー、ポール・サルツマン。23歳当時、失恋の傷を癒すためにインドのガンジス川のほとりにあるアシュラム(僧院)を訪れ、そこで偶然にもザ・ビートルズの4人と出会った。監督がビートルズと過ごしたミラクルな8日間の模様を収めた写真をもとに製作したドキュメンタリー映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』が9月23日に公開される。
解散前の晩年、ビートルズがインドでの体験や東洋思想に影響を受けたことは広く知られているが、インド滞在時の知られざるビートルズの姿や監督自身の心の旅を通して、瞑想の力やメンタルケアについての視座も生まれる本作について、監督に訊いた。
――『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』を作ろうと思った一番の理由を教えてください。
地球上に生きる人間として成長していく必要があるし、創造性を持ち続けることが大事だと思うんです。映画の中でも話していますが、私はインドでの瞑想によってそのような感覚を得ることができました。そのことを多くの方に伝えたかったのです。
――製作総指揮をデヴィッド・リンチ、ナレーションをモーガン・フリーマンにお願いしたのはどういった理由だったのでしょう?
まず、デヴィッド・リンチは非常に感受性が豊かな人です。そして、彼は実際に瞑想の実践者で、心の旅を経験している知識豊かな賢人なわけで。瞑想によって自身の人生がどう変わったかを雄弁に語ることができると思ったので、製作総指揮をお願いしました。
モーガン・フリーマンにナレーションをお願いしたのは、多くのナレーターが脚本に何かしらの要素を付け加えることが多い中、今回、私は脚本をそのまま理解することを求めたからです。魂を込めて語ってくれる安らぎのあるナレーションだったので、それをやってもらえるのは彼だと思いました。