都心とは異なる地方都市の状況
現在東京都心では、14区にまたがる「東京自転車シェアリング」をはじめ、さまざまな事業者がシェアサイクルサービスを提供している。電車や地下鉄の利用が盛んな都心部では、駅から目的地までをつなぐ移動手段として定着してきた感がある。
しかし、地方においては話がまた別だ。地方はどうしても「車中心社会」になりがちで、電車などの公共交通機関を一切利用しない人も多い。シェアサイクルサービスを提供しても関心を持つ人が少なく、地域に根付きにくいのではないだろうか。
かくいう筆者も、車中心の生活をしている地方在住民のうちの一人だ。住まいは駅や市街地からそれなりに離れていて、日常の移動はもっぱら自家用車。市内を走る電車やバスに乗る機会はごくわずかだ。そんな筆者が、あるとき地元の上田市で行っているシェアサイクルの取り組みを知り、その実態に興味が湧いてきた。