車中泊にかかる馬鹿にならない経費といえば、入浴代と洗濯代
車のガソリン代と並び、いくらコスパのいい旅をしようと思っていても、どうしても余計にかかる長旅の出費が日々の風呂代だ。
僕は53歳のおっさんだが、しずかちゃん並みのオフロスキーで、誰に会う予定もない一人旅だとしても、毎日ちゃんと入浴しなければ気が済まない。
僕は東京・世田谷区のほかに山梨県・山中湖村にも家を持つデュアラー(二拠点生活者)だが、山中湖村に2箇所ある公営温泉の入浴代は、村民以外の客だと900円。民間のデイスパに至っては2000円弱かかるところが多い。
東京の家の近くの温泉やスーパー銭湯も、1000〜2000円はかかるので、そのくらいが一般的な温泉の相場なのだと思っていた。
お風呂好きならそのくらい文句を言うなと思われるかもしれないが、なるべく出費を抑え、普段の暮らしと変わらないように長旅をしたいと考えると、家にいればほとんど気にならない入浴代として、一日1000〜2000円を払い続けなければならないのはどうにも引っかかった。
そのため、旅に出る前にはこれから行く先々の街にあるネットカフェのシャワーなども利用しようと考え、快活クラブや自遊空間の会員登録をあらかじめしておいた。
しかしいざ旅に出て、一日中車を運転していると、やはりシャワーでチャチャッと済ませるのではなく、できれば温泉にゆったり浸かりたいという願望が出てきた。
だから「まあ、いいか」と思って最初から温泉に行ってみたのだが、意外にも東北各地の温泉はどこも一回の入浴料が300〜500円で、そこまで負担に感じなかったのである。
やはり観光地や都心部とは相場が違ったようなのだ。
結局、行程上どうしても入れなかった日や、コインシャワーで済まさなければならなかった日を除き、すべて行く先々の温泉で入浴を楽しんだ。
この際、その内訳も以下に紹介しておこう。
1日目 出発から時間を忘れて走り通してしまったため、入り損ねる。
2日目 宮城県栗原市の温泉「延年閣」500円
3日目 青森県平川市の道の駅・いかりがせきに併設された「関の庄温泉」400円
4日目 青森県むつ市の「石神温泉」450円
5日目 青森県三戸郡新郷村の道の駅・しんごうのコインシャワー100円
6日目 秋田県にかほ市の道の駅・象潟ねむの丘の「展望温泉」450円
7日目 山形県西村山郡西川町の道の駅・にしかわに併設された「水沢温泉館」300円
8日目 福島県会津若松市の日帰り温泉「富士の湯」450円
9日目 急きょ帰宅のため入らず。
旅の間の入浴料合計は、2,650円だった。
この程度の出費で、ほぼ毎日のように温泉で幸せな気持ちになれたのだ。
ちなみに毎日のようにきちんとお風呂に入ると洗濯物がどんどん溜まるが、着替えは多めに持っていったので、道中、コインランドリーを2回使用するだけで事足りた。
洗濯代は各1000円程度だったが、これもまた長旅特有の出費として報告しておくべきものなのだろう。
とまあ、冒頭でチェ・ゲバラだのスタインベックだのとスケールの大きな振りをした割に、実にチマチマした会計報告になってしまったが、これも旅のリアルだ。
これから車中泊の旅に出たいと思っている人にとって、何かの参考になれば幸いである。