──試作車にさらに工夫を加えたとか……

日本人の体形に合った「ショートクランク」と「電池の要らないアシストギア」の組み合わせだけでなく、さらなるパワーを追加するためにハンドルの形状にこだわり、「綱引きの理論」を持ち込みました。

実は、これまでの自転車は上半身の力を活かしきれていなかった。綱引きは腕が綱を引く力を利用し地面を蹴りますが、この理論を応用し、ハンドルを引くことで生まれるパワーをペダルを踏み込む力に変換できるようにしました。これでさらにペダリングが軽くなりました。

人力なのに電動なみのラクチンさ! 日本人に最適化された自転車「ルートワン」の革新的構造_6
綱引きの綱のように、まっすぐに引く感覚を生み出すM字ハンドル
人力なのに電動なみのラクチンさ! 日本人に最適化された自転車「ルートワン」の革新的構造_7
「ルートワン」は、綱引きのようにハンドルを引くことで、上半身の力を下半身に伝える仕組みなっている。一方、前傾になるこれまでの自転車だと、上半身の力は体を固定するだけに使われ、推進力にはならない
すべての画像を見る

──「ルートワン」の売れ行きはいかがですか?

入学や転勤シーズンの3月、4月はすごく売れます。首都圏の全37店舗で月100台ぐらいですね。とくに徳島県の自転車店「Cycle Space UZU」さんは、繁忙期ではないシーズンに月7台も売ってくれました。うちの1番売る店でも月に4、5台だからすごいことです。

──どんな種類がありますか?

量産型モデルには税込7万9800円のS型(スポーツ仕様。走りを楽しむイメージ)とF型(ファミリー使用。カゴ付きでお買い物ユースのイメージ)の2種類があります。

さらに、使用する素材を徹底的に日本産のものにこだわったオーダーメイドモデルの高級車「MADE IN JAPAN」(税込25万3000円)もあります。見た目も美しいクロモリのフレームで、熟練の職人が作っています。

──今後の展開は?

現在、後ろに子どもを乗せるチャイルドシートを付けての試乗実験を始めています。実験は好調で、ルートワンのパワフルな乗り味が、ゆくゆくは子育て世代にもお役立ちすることを願っています。

サイクルオリンピックでは「ルートワン」の試乗ができますので、「ショートクランク」、「フリーパワー」、「綱引き理論」が生み出す新しい乗り味を、みなさんに楽しんでいただければと思います。電動アシスト自転車でなくとも坂道をガンガン攻められることを体験してほしいですね!

取材・文/石原たきび