最低でも300万円は準備が必要

もし、あなたが奨学金を利用しないでおこうと考えている場合、最低でも学費の3分の2を準備しておくことが大切です。私立文系大学の場合、450万円の3分の2は300万円、私立理系大学の場合であれば、700万円の3分の2の約470万円が目安となります。

もし450万円の学費のうち、3分の2を用意しているのであれば残りは150万円です。1年換算すると37.5万円ですので、人によっては収入から払えるかもしれません。ですが、当然ながら交通費や教材費なども必要となるので、できればもう少し準備しておきたいところです。

もしくは奨学金を利用することを前提に資金計画をしても良いと思います。奨学金と聞くとマイナスなイメージがあるかもしれませんが、金利を見れば決して高金利ではないことがわかります。

奨学金の金利は大学で借りる場合、卒業時の金利が適用される仕組みになっており、在学中は無利子で借りることができます。では2022年の3月に卒業した人に適用された金利はいくらでしょうか?

いわゆる固定金利である利率固定方式は0.369%となっており、変動金利にあたる利率見直し方式では0.04%となっています。低金利と言われる住宅ローン金利と比較しても、かなり低いことがわかります。

また奨学金は金利の上限が3%に定められているので、相対的に低金利で借り入れできる制度となっています。では、2022年3月に卒業した人が利率固定方式0.369%で300万円を返す場合、どれくらいの利息を払うことになるでしょうか。

計算すると、20年間借り入れをしても総利息額は112,398円でした。このように奨学金は金利が高いわけではなく、借り入れ元本が多いことが問題だということがわかります。

もし、奨学金を利用する場合でもできる限り借入額を少なくすることが子どものためにもなりますので、しっかりと計画的に資金を準備しておくことがますます大切だと言えます。

取材・文/井上ヨウスケ