振り回されない土台をつくることが大事

HSPが社会で活躍していくためには「自らを整えていくこと」が欠かせないと皆川さんは考える。

「HSPが、働きやすい職場や自分に合う職場を探すことが悪いわけでは決してありません。ですが、気が合わない人が一人もいない、嫌なことが一切起こらない職場や仕事は現実にはありません。

つまり、何かあったら毎回環境をリセットするよりも、職場に苦手な人がいても気にしすぎない、人から言われたことにいちいち落ち込まない、ときには反対意見も臆せず言える、困ったときにSOSを出せる、気軽に人にものを頼めるという自分になったほうが、どんな場所でも働きやすくなると言えるのです。

これまで働きづらさを感じてきたHSPの方が自律神経についても理解し、安定した神経土台を身につければ、会社や職場の人に自分の感情を振り回されることも減ります。

心理的に健康な状態を手に入れれば、仕事で落ち込むことがあっても、自分で自分をご機嫌にすることができるようになる。少し時間はかかりますが、神経土台を整えることは何歳からでもできますから、ぜひできることから取り入れてみてください。そしてこれまでがんばってきた自分を、温かい目で振り返ってみていただけたらと思います」

繊細すぎるHSPを悩ます、自律神経のサバイバル(凍りつき)反応とは?_4
デンマークHSP協会との意見交換の様子。HSPは世界人口の約5人に1人と言われる(画像/株式会社サステナミー提供)
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