刺激量の調整を意識する
HSPが「刺激を受けやすい」のは前述の通り。だからといって、職場で強いストレスを感じたら、その都度離職・転職をして環境をリセットすることが、根本的な解決方法になるわけでもない。
HSPがストレスをためすぎず、職場で働き続けるための工夫にはどういったものがあるのだろうか。
「まずは、刺激の耐性幅を広げること。人によって、刺激にどの程度耐えられるのかという幅は異なります。働くうえで、落ち込む・動揺するなどある程度の感情の揺らぎは誰にでもありますが、それらの刺激が耐えられる量であれば問題ないですよね。
たとえば在宅勤務の日数を増やして人との接触時間を減らしたり、時差出勤をして満員電車を避けたりするなど、そもそもの刺激量を減らす方法も効果的です」
言葉を跳ね返す「バリア」のテクニック
一方で、出勤が必須だったり人と会う必要がある仕事をしているHSPにはなかなか難しい。おすすめの方法として、気軽に取り入れられる「イメージのバリア」を教えてもらった。
「たとえば職場に苦手な人がいて、その人の発言によってストレスやダメージを受けることが多い場合、相手から言葉が飛んできたときにどんなバリアが自分にあったらいいか、考えてみましょう。
滝のように上から水が流れていて、相手の言葉に含まれるモヤモヤや思念をサーっと流してくれるバリアがいいのか。レンガのような頑丈なバリアがいいのか、アクリル板のようなバリアがいいのか。何でもいいので、自分にとってぴったりのものをイメージします。
次に、実際にそのバリアのなかに入っているイメージをします。相手から何か言われたとき、その言葉が流れていったり跳ね返ったりする様子をイメージしてみてください。
そのとき、バリアのなかの空気はどうか、バリア越しの外側の空気はどうか、その違いも具体的に感じてみましょう。バリアの内側と外側で、まったく違う空気が流れていることをイメージできるはずです。バリアに穴や隙間がないか、実際に自分の手で触って確かめてみることも忘れずに。
そこまで体感できたら、実際にその人に会う前にバリアを装着します。ずっと装着し続けるのではなく、あくまで対象となる相手と接するときだけ使うというのもポイントです」
試してから一定期間は、バリアを張った結果どうなったかを自分なりに検証したり、微調整したりすることで、一番よい状態にカスタマイズできるようになっていくそうだ。