どっさり夏野菜&ピリ辛カレースープ

ごろごろのじゃがいも、おおぶりに切ったナス、甘酸っぱいトマト、それにいんげん。カレースープの中には、野菜がたっぷりだ。

「豚バラもだいぶ入れたけど、溶けていいお出汁になってるよ」

飯塚フミさん(75)が笑う。

ルーツは太平洋戦争。栃木県益子町に伝わる郷土料理「ビルマ汁」がつなぐもの_1
51年間ずっとビルマ汁を作り続けているという飯塚フミさん

スープをすすってみると、ほんのりとピリ辛で、なんだかほっとする味わいだ。そのまま食べてもおいしいし、ごはんにかけるとまたいける。

「さらさら食べられるって感じでしょ」

鷹の爪とカレーのほのかな辛みで、食欲が湧いてくる。汁ものだから、暑さでへばっているときでも食べやすい。なるほどこれは、夏にぴったりだ。

「自慢じゃないけど、おいしいでしょ。ほらあんた、おかわりは? ごはんもまだあるから」

これが栃木県益子町に70年以上も伝わる「ビルマ汁」だ。

「私が作り続けているだけでも51年。この家にお嫁に来てからだからね」