夏バテや熱中症の予防になる「手のひら冷却」
「手のひら冷却が夫婦のエアコン設定温度問題を解決できると断言はできませんが(笑)、解決の糸口にはなるかもしれませんよ」
そう話すのは、手のひら冷却グッズ「Ice Battery(R) fresh」の開発者で、株式会社まつうら工業取締役の井戸英二氏。手のひら冷却を推奨し、小中高校に自社商品「Ice Battery(R) fresh」を無料で貸し出すなど精力的に手のひら冷却を広げる活動を行う同氏に話をお聞きした。
――手のひら冷却とはどういった仕組みなのでしょうか。
「手のひらにはAVA血管という体温調整に特化した血管があり、夏の暑いときにはそこから熱を逃して体を冷ます役割をしています。手のひら冷却は、AVA血管を流れる血液を冷やすことで、冷たくなった血液を全身にめぐらせ、効率よく体温を下げるという仕組みです」
「手のひらを冷やす際、冷却剤が冷たすぎるとAVA血管が収縮してしまい、期待される効果が得られません。そのため、だいたい15度前後が適温とされています。
弊社が開発した『Ice Battery(R) fresh』は、特殊な蓄冷剤により最長で2時間もの間、約15度の温度を保つことができるため、長時間のスポーツや、夏の寝苦しい夜のお供として使うことをお勧めしています」
――AVA血管は手のひらにしかないのですか?
「手のひら以外には、頬、足の裏がありますが、手のひらが一番手軽ですし、面積も広いので効率がよいと思います。冬の寒い日に、手のひらを暖房の前で温めるとじんわり体が温かくなりますよね。その冷却版、というと分かりやすいかもしれませんね」
――スポーツの現場でも手のひら冷却は取り入れられているそうですね。
「スポーツ界では手のひら冷却はいち早く注目されていました。熱中症予防として効果が期待されていて、大学スポーツでも導入されています。
手のひら冷却のいいところは、体の表面温度だけではなく、血流を通して深部体温を冷やすことができるところです。効率的に体を冷やすことで、夏バテや熱中症の予防に役立てられています」