「RTA in Japanの目標は、走者が気持ちよくRTAを走ること」
今回のRTA in Japan Summer 2021には合計848タイトルの応募があったという。採用タイトルの選定には5週間を要した。さらに、コロナ対策としてヘッドフォンを10個用意。配信機材や会場のレンタル費用なども含めると、数百万円の費用がかかっているそうだ。
「どうすればイベントが良くなるか、を考えながら毎回開催しています。良い機材を揃えようとするとやはり費用はかかりますが、トラブルがあったり、機材が足りなくなったりして進行が止まってしまうと、せっかく参加してくれた人に申し訳ない。
RTA in JapanはRTAを披露する場を国内にもつくりたい、という気持ちで立ち上げたイベント。規模が大きくなった今でも、走者に気持ちよくRTAを走ってもらうという目標はずっと変わりません」(中島氏)
なお、大会費用はTwitchのサブスクリプション料金などから捻出されている。また、開催中は視聴者も寄付を行うこともできるのだが、開催期間中に集まったお金は税金分を引いて、すべて国境なき医師団に寄付しているそうだ。実は、海外で行われているRTAの大会も多くがチャリティイベントとなっている。
ゲームを早くクリアするためには、そのゲームを知り尽くし、途方もない時間、練習を繰り返す必要がある。ゲームを心から愛する人たちが中心となっているからこそ、RTAは今なお盛り上がりを見せているのだろう。
「RTA in Japanの視聴者数は順調に増えているのですが、RTA走者自体の伸びは鈍化している印象です。RTAはとても奥の深い遊び方。ぜひ多くの人に体験してもらいたいと思っています。視聴を機に走者が増えてくれればうれしいです」(中島氏)
取材・文/笠木渉太
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