カギは子どものブームを認めること
――算数オリンピック入賞、まではいかずとも、子どもの算数の成績を伸ばしたいと思う保護者は多くいます。ご家庭での関わり方についてポイントはありますか?
算数を伸ばすことを考える前に、語彙力を伸ばすことを考えましょう。
子どもが読書嫌いになるのは、漢字が読めないからという場合が多いです。「まだ習っていないから」という理由で教えないのはもったいない。学年に関わらず、本人が興味をもったものはどんどん難しい漢字や言葉を教えてあげてほしいと思います。
語彙力が増えていけば、興味のある文献や図鑑をどんどん読み込むし、問題文にもつまずかずに取り組めるようになります。
また、子どもが夢中になっているものやその時のブームを否定せず見守ってあげてほしいですね。
子どもの興味は移り変わりが早く、「以前は恐竜が好きだったのに、今は電車に夢中になっている」なんてこともあると思います。年齢とともに子どもの興味は変化します。
親としては「あんなに買ってあげたのに」と思うかもしれませんが(笑)、その興味を大事にしてあげてほしいなと思います。何よりも「熱中」する体験が大切です。
何かの「専門家」になれるくらいに物事に夢中になった経験がある子は、きっかけさえあれば算数はもちろん、受検勉強にも夢中になってくれると思いますよ。
――『ヒマつぶしドリル』をやらせるのも効果はありますか?
無理矢理やらせるのではなく、寝転びながらやるくらいの感覚で手に取っていただきたいですね。装丁も中身もドリルっぽくない雰囲気になっているので、ご家庭で取り入れる際も「勉強するよ!」という雰囲気を作らず、まずは気軽にやっていただけたらと思います。